読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

無言の語り部 祖国踏む

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

日章旗など3点 遺族に返還

 太平洋戦争で出征し、戦死した県内出身の兵士らの遺留品3点が、米国の非営利団体から国を通じて県遺族会に届き、9日、県公館で返還式が行われた。出席した遺族や関係者ら約30人は、戦後75年以上を経て故郷に戻った兵士の遺留品を前に、平和の尊さをかみしめた。(西堂路綾子)

 米オレゴン州の「OBONソサエティ」は、太平洋戦争で連合軍兵士が持ち帰った遺留品を日本の遺族らに返還する活動を続ける。米国の兵士らから託された遺留品は400点以上とされ、県遺族会によると、県内の遺族らに戻った遺留品は約10点あるという。

 今回届けられたのは、東黒田村(現米原市)出身の岡田勘平さん、玉緒村(現東近江市)出身の山田芳蔵さんがそれぞれ所持していた日章旗2点と、柏木村(現甲賀市)出身の辻英次さんの軍隊手帳。日章旗には武運長久を祈る寄せ書きが記されていた。

 岡田さんは1944年7月にサイパン島で、山田さんは同年12月にレイテ島で、それぞれ戦死。辻さんも戦地に赴き、帰国後の43年10月に病死した。

 三日月知事は「時間はかかりましたが、帰って来られましたよ」と語りかけ、遺族や代理人に遺留品を手渡した。遺族を代表し、山田さんの兄・平一郎さんの孫、山田明宏さん(61)は「祖父から『若くして戦死した芳蔵にはかわいそうなことをした』と聞かされていた。遺品が戻り、思った以上にきれいに残っていたと感激している。祖父が生きていたら、どんなに喜んだか」とお礼を述べた。

 辻さんのおいの子にあたる辻善明さん(56)も、軍隊手帳につづられた文字を見ながら、「遺留品はめったに戻らないと聞いたので感慨深い。当時の人の苦労があって今の我々があるということを実感した」と語った。

 「OBONソサエティ」とやり取りを続ける県遺族会相談役の国松善次・元県知事(82)は閉会のあいさつで、「遺留品は、戦争の悲惨さ、平和の尊さ、友好の大切さを、誰よりも強く語れる無言の語り部。どうか次の世代につなげていってほしい」と願っていた。

無断転載・複製を禁じます
1832447 0 ニュース 2021/02/10 05:00:00 2021/02/10 05:00:00 2021/02/10 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)