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大津・関蝉丸神社下社…芸能の聖地再興へCF

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市民有志 本殿など修復 3000万円目標

シートで覆われた回廊の前で修復への協力を呼びかける奉賛会の川戸会長(大津市で)
シートで覆われた回廊の前で修復への協力を呼びかける奉賛会の川戸会長(大津市で)
屋根の檜皮が崩れ、雑草が生える幣殿(左、大津市で)
屋根の檜皮が崩れ、雑草が生える幣殿(左、大津市で)

 芸能の神として古来、信仰を集めてきた大津市逢坂の 関蝉丸せきせみまる 神社下社が、境内の大規模な修復を目指し、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。時代が移ろう中で荒れ、市民有志が奉賛会を組織して再興に努めてきた。来年の鎮座1200年に向け、関係者は「湖都の歴史遺産を何とか守り、後世へ引き継ぎたい」と願っている。(山根彩花)

 裏山から境内を見下ろすと、本殿屋根は仮設の板屋根で覆われ、隣接の幣殿の屋根も 檜皮ひわだ が一部崩れ落ち、雑草が生える。腐朽が進む回廊には雨をしのぐシートがかけられたままだ。

 奉賛会会長の川戸良幸・びわこビジターズビューロー会長(66)は「ここは歌舞音曲の聖地で、地元の誇り。今の姿には心が痛む」と嘆く。

 神社は822年創建と伝わる。「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」。平安時代の琵琶の名手で、逢坂山に隠せいして百人一首にこの歌を残した蝉丸がまつられ、芸の上達を願う人々の信仰を集めた。江戸時代には、琵琶法師や舞の一座が諸国の関所を通るための免状を出していたという。

 だが、こうした由緒は平成時代に徐々に忘れられ、十数年前に宮司家が途絶えた後は、管理者不在となって荒廃が進んだ。

 2012年に県神社庁職員の橋本匡弘さん(46)が宮司を兼ねるようになったが、翌13年には台風で境内の木2本が本殿屋根に倒れかかり、雨漏りも発生。こうした中、市民有志が再興に動いた。

 寄進を募って1年半放置されていた木を取り除き、15年には拝殿の床を張り替えるなどして「関蝉丸芸能祭」を開催。以来毎年、能や和楽器、吹奏楽などの約20組が舞や演奏を奉納し、芸能の聖地をアピールしてきた。昨年はコロナ禍で中止したが、今年は11月に開催の予定だ。

 今回のCFは、こうした機運をさらに盛り上げ、鎮座1200年をとらえて本格的な改修を実現しようと、下社と19年に発足した奉賛会で計画。まず本殿と幣殿、回廊の修復に向け、9月15日まで3000万円を目標に寄付を呼びかけている。

 川戸会長は「修復をきっかけに、地域の歴史遺産を保護する意識が広がれば」と期待している。

 寄付額(3000円~300万円)に応じた返礼品には、蝉丸にちなんで楽器の弦や、琵琶湖真珠などを用意した。窓口は仲介サイト「A―port」。問い合わせは橋本宮司(077・524・2753)。

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2175500 0 ニュース 2021/07/03 05:00:00 2021/07/03 05:00:00 2021/07/03 05:00:00 シートがかぶせられた関蝉丸神社を背に、CFのチラシを持つ川戸さん(大津市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210702-OYTNI50067-T.jpg?type=thumbnail

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