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彦根・長曽根の住民有志

和田市長(後列中央)に、完成した郷土史を寄贈した「長曽根町歴史勉強会」のメンバーら(彦根市で)
和田市長(後列中央)に、完成した郷土史を寄贈した「長曽根町歴史勉強会」のメンバーら(彦根市で)

4年がかりで完成した「長曽根郷土史」
4年がかりで完成した「長曽根郷土史」

 彦根市北西部に位置する同市長曽根町の住民有志が、4年がかりで「長曽根郷土史 わがふるさと長曽根の歴史」を自費出版した。町に残る江戸時代以降の約1100点の古文書などを基に歩みを紹介し、昭和の暮らしぶりや遊びも伝えている。(西堂路綾子)

古文書1100点基に 伝統行事や昭和の風景画

 長曽根町は琵琶湖に面した集落で、約50の民家が並ぶ。江戸末期には、大老・井伊直弼や新撰組局長の近藤勇の刀を作ったことで知られる名工・ 長曽祢虎徹ながそねこてつ も居を構えたという。刀の焼き入れに使う水をくみ上げたとされる「虎徹の井戸」跡が残る。

 郷土史発行は、2015年に住民有志が発足させた「長曽根町歴史勉強会」が企画した。ベースになった史料は、古文書を読める地元の教禅寺・青柳義孝住職が1986年から5年かけて整理。自治組織の運営方法、祭りの決まり事などが書かれており、町民会館で「共有文書」として保管していた。

 しかし、青柳住職以外に詳しい人がほとんどおらず、郷土史にまとめて後世に引き継ぐことにした。会長の北村恭弘さん(73)は「歴史好きの人が趣味で作る、という感じではない。口述だけでは町民が生きた証し、伝統行事や風習が消えるという危機感があった」と話す。

 北村さんらは17年以降、町民らへの聞き取りを重ね、祭りなどの伝統行事を記録。古文書の内容をパソコンで打ち直して保存し、その内容の真偽を確認する作業にも時間を惜しまず、A4判、252ページの本に仕上げた。

 目を引くのが、カラー刷りの「長曽根ふるさと絵図」の章だ。記憶に残る風景を絵にする「心象図法」での地域作りを提案している学識者の指導を受け、メンバーらが子どもの頃の思い出や町の印象を描いた。肥くみや脱穀機での収穫、豆腐売り、五右衛門風呂、 蚊帳かや など、現在はあまり見られない光景を約70点の絵で紹介している。

 「長曽根共有文書遺産」の章では、庄屋の家に伝わってきた古文書など約1100点の史料に焦点を当てた。江戸時代の測量家・伊能忠敬が訪れたことを記した日記、古文書の解読に努めた青柳住職のエピソードなども取り上げた。

 北村さんは「長い歴史の中に自分たちがいることを実感した。生まれ育った場所でも知らないことがたくさんあり、一層故郷に誇りを持つようになった」。本の寄贈を受けた和田裕行市長は「知識と知恵、情熱でできた一冊。子どもたちに古里を大切にする気持ちをはぐくむため活用したい」と感謝していた。

 自費出版で230部を発行。市販はせず、自治会役員や彦根市立図書館、同市教委、近隣の小中高校、大学などに配布する。

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2177367 0 ニュース 2021/07/04 05:00:00 2021/07/04 05:00:00 2021/07/04 05:00:00 和田市長(後列左から3人目)に完成した郷土史を寄贈した「長曽根町歴史勉強会」のメンバーら(彦根市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210703-OYTNI50069-T.jpg?type=thumbnail

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