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選管 各地で啓発

7月10日投開票の参院選と知事選に向け、県内の自治体が投票を呼びかける様々な啓発活動を展開している。どちらの選挙の投票率も最近は低調で、特に「政治離れ」が目立つ若者にどう関心を持ってもらうか、工夫を凝らしている。
立会人に■学生考案はがき
県選管によると、参院選の投票率は2016年が56・52%、19年が51・96%、知事選は14年が50・15%、18年が40・62%といずれも低下傾向にあり、特に18年の前回知事選は過去2番目の低さだった。
年代別の投票率では、19年の参院選で最も高かったのは70~74歳の70・53%だったのに対し、18~20歳代は20%台後半~30%台前半。18年の知事選も75~79歳が60・54%に達するなど高齢者層の数字が高いのとは対照的に、18~20歳代は20%台にとどまった。
■LINE活用
こうしたことから各地の選管では投票率アップの鍵を握る若者への啓発を重視している。
期日前投票を活用して若者の政治参加を進め、関心を高めようと工夫を凝らすのは大津市だ。
これまで期日前投票所の立会人については市広報誌などで公募してきたが、今回、初めて若者に浸透している「LINE(ライン)」を活用。市の公式アカウントで市本庁舎での立会人(定員34人)を告知したところ、18~29歳から79人もの応募があり、34人全員を若者で務めてもらうことになった。市選管は「ここまで効果があるとは」と驚く。
湖南市も4月末に市内在住で18歳以上の学生を対象に期日前の投票立会人を公式SNSなどで公募。翌日には先着16人が集まった。
6月25日に立会人を務めた大学1年の女性(18)は「(投票に来る)若い人はやはり少ない。実態を見ることができたのは意義深く、投票の大切さを痛感した」と話した。
■心や目に訴え
彦根市では、昨年の市長選から、投票権を新たに得た18歳に投票を呼びかけるはがきの送付を始めた。
今回のダブル選での対象は約700人で、はがきには滋賀大の学生らが考案した「18歳の私が手にしたもの。それは、社会を変える力。」のキャッチコピーを掲載して心に訴える。
彦根市では前回の参院選、知事選の投票率がともに県内19市町で最低という結果で、市選管は「投票に意識を向けてもらうきっかけをつくり、汚名を返上したい」と意気込む。
県選管は「投票の重要性を視覚的に訴えていく」方針で、今回の選挙戦に合わせ、県内では珍しい電光掲示板を積んで街中を走る宣伝カーを導入。7月2~8日、大学や商業施設を巡り、若者に人気のある県出身の女優・高橋ひかるさんが登場する啓発動画を画面に映し出す予定だ。