<2>湖国の針路 参院・知事ダブル選22

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南北人口格差

児童増減 進む二極化

児童数が増え、運動場に建てられた市立中央小学校の新校舎(大津市で)
児童数が増え、運動場に建てられた市立中央小学校の新校舎(大津市で)
西武大津店跡地の大型マンション建設現場。近くの市立平野小学校では児童数の急増に伴う教室不足が懸念されている(大津市で)
西武大津店跡地の大型マンション建設現場。近くの市立平野小学校では児童数の急増に伴う教室不足が懸念されている(大津市で)

 大津市立中央小学校の運動場に4月、2階建ての軽量鉄骨校舎が増設された。周辺でマンション建設が相次いで教室が足りなくなり、6教室を新たに確保した。

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 事業費は約2億3000万円。現在は2教室余っているが、田中満校長は「来年度は教室が埋まってしまうかもしれない」と懸念する。

 大津市立小37校の児童数は2022年度に1万8250人となり、40年前と比べ約2割減少。今後、少子化が加速し、46年頃には1万1700人程度まで減るとする推計もある。

 中央小は09年、児童数の減少傾向を受け、校舎の一部を解体した。ところが、08年秋のリーマン・ショックの影響が和らぎ、京都市内の地価がホテル建設の影響で上昇。ファミリー層などの転入が進み、学校を取り巻く環境が一変した。

  ■混乱回避

 コロナ禍で、一部地域では児童数がさらに増加した。テレワークが普及し、良好な住環境を求め、京都、大阪から大津市など県南部に転入する人が増えている。マンションや戸建ての新設は、主要駅に近い都市部、宅地開発が進む郊外など一部地域に集中している。

 大津市は21年度、単身者向けを除く、100戸以上のマンション建設に事前届け出制を導入。平野など14校区を教室の確保が難しいなどの状況が生じる「教育環境要保全区域」に指定した。市の担当者は「教室不足を防ぐため、開発業者と入居時期の分散などを協議する」と説明する。

 制度導入のきっかけは、20年に閉店した西武大津店跡地で進むマンション開発。このマンション自体は制度の対象外だが、近くの平野小の児童数はすでに1000人を超えており、新たな建設に伴う混乱を避ける必要があると判断した。

 自治体が頭を悩ませるのは、人口増が局所的な現象で、今後も子どもが増え続けるのかどうかを見通しにくい点だ。

 草津市は18年度に約2億6000万円を投じて志津小に校舎を増築、20年度も約6億3000万円をかけて高穂中で増築を行った。市の担当者は「約10年後に市の人口が減少に転じるとの推計もある。予算が限られる中で、数年先を見据えて判断していくしかない」とし、学校生活に支障が生じかねないケースを優先して整備を進めている。

  ■統廃合

 一方、湖北、湖西地域では人口減に歯止めがかからず、学校の統廃合が進む。県教委によると、12~18年度に、県内で延べ約20校が廃校や休校、統合を迫られた。

 長浜市の22年度の児童・生徒数は9365人で、10年前と比べ約2000人も減った。20年3月末には市立杉野小・中学校が閉校し、市立木之本小・中に統合された。児童・生徒はスクールバスで通学し、地元の60歳代主婦は「通学する子どもたちを見て元気をもらっていたが、姿が見られなくなった。我が子も地元を出てしまったし、仕方がないのかな」と肩を落とす。

 総務省は4月、過疎法に基づく財政支援の対象地域に27道府県の65市町村を追加した。過疎市町村は885と、初めて半数を超えた。県内では新たに甲良町と東近江市が追加され、長浜、高島両市と合わせて計4市町が対象となった。

  ■柔軟な対応

 人口減を逆手に取った取り組みも行われている。

 大津市教委は18年度、市北部の山あいにある葛川小・中を学区外から通える「小規模特認校」に指定した。少人数教育で、創造力を養う教育を9年間一貫して行うのが売りだ。22年度の児童・生徒数は5年前の1・7倍の42人に増加。学区外からの通学が6割を占め、移住者も増えている。

 丸山真央・県立大人間文化学部教授(地域社会学)は「滋賀は地域によって抱えている課題が大きく異なり、施策を講じるうえで少子高齢化とひとくくりにしてはならない。地域の課題ごとに、市町が住民の実情を踏まえて柔軟に対応する必要がある」と指摘する。(林華代、辻井花歩)

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3137623 0 ニュース 2022/07/04 05:00:00 2022/07/04 05:00:00 2022/07/04 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/07/20220704-OYTNI50008-T.jpg?type=thumbnail

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