手厚い研修で若手確保

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総合診療医の必要性を語る狩野院長(益田市で)
総合診療医の必要性を語る狩野院長(益田市で)

 ◇益田地域医療センター医師会病院  狩野 稔久院長 63

 深刻化する医師不足に悩む県西部。地域医療を目指す若手医師が益田地域医療センター医師会病院(益田市)に勤務しながら、地域のベテラン開業医の下でも学べる研修制度「親父おやじの背中プログラム」を今春、始動させた。特定の診療科に限らず、さまざまな症状に対応できる医師を養成する仕組みを提供することで、医師の確保を目指している。

 雲南市大東町の出身。親や学校の勧めもあり、へき地や離島、過疎地域の医師不足解消のために設立された自治医科大(栃木県)に2期生として進学した。

 大学で、へき地医療を支えたいとの使命感に駆られた。県に採用され、県立中央病院勤務や島前町村組合立島前診療所長などを経て、1991年に医師会病院へ。97年からは院長を務める。

 県によると、人口10万人に対する医師数(2016年12月末現在)は、全県で286・2人と全国の251・7人を上回る一方、浜田圏域が214・7人、益田圏域が228・3人と県西部は全国を下回る。

 新人医師に一定期間の研修を義務づける初期臨床研修の必修化が、地方の大学病院離れを加速。大学病院が派遣先の医師を引き揚げざるをえなくなったことなどが、医師不足の背景にあるとされる。

 医師会病院も2012年に19人いた常勤医が17年には11人にまで減った。「大学病院頼りの医師確保、大学による医師供給態勢が崩壊してしまった。独自に集めるしかない」と覚悟を決めた。

 医師を派遣してもらおうと17年5月、へき地医療を担う医師の研修を企画する医療コンサルタント会社「ゲネプロ」(千葉県)の斎藤学氏を訪ねた。

 全国有数の高齢化率の高さ、会員の開業医と病院の連携の強さなど、地域や病院の特性を説明すると、同プログラムが提案され、開業医を巻き込んで研修メニューを作り上げた。

 同年9月、プログラムへの応募希望者向けに医師会病院や地域の見学ツアーを企画すると、全国から意欲旺盛な16人が参加。予想以上の反応に手応えを感じた。

 多くの若手の医師は「急性期医療こそが花形」と感じているという。一方、日々の診療では、「目が悪い」「血圧が高い」「糖尿病を患っている」など、複数の疾患を抱える慢性期の高齢患者が多い。「高齢化が進むと慢性期の患者が増える。人口が少ない地方では、1人でいろんな病気を診察できる医師が必要だ」とプログラムの意義を強調する。

 今回、プログラムには、20歳代と30歳代の男性医師2人が1~2年間の予定で参加。2人のおかげで医師会病院の常勤医の当直回数が減るなど、病院にとって強力な助っ人となっている。教えるばかりでなく、最新の医療を学んだ2人から得ることも多い。

 熱意をもってプログラムに臨む彼らの思いをくみ、持続的に医師が来るようにすることが、病院の維持、地域医療を支えることにつながる。「プログラムを成功させないといけない。責任の重さを感じる」と語る。(立山光一郎)

 ◇新田次郎著 「八甲田山死の彷徨」

 青森県の八甲田山で1902年に起きた「八甲田山雪中行軍遭難」を取材した小説です。学生時代に八甲田山へ行ったことがあり、書店で偶然に見つけて読みました。

 日露戦争に備え、厳寒地を行軍する訓練で青森歩兵第5連隊が遭難。指揮系統は混乱し、多数の犠牲者が出ました。一方で弘前歩兵第31連隊は綿密な準備で無事、全行程を踏破した様子が描かれています。

 医療事故の防止にも、オープンに議論できる職場環境づくりと情報共有が重要だと気づかされました。

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41143 0 人あり 2018/09/17 05:00:00 2018/09/17 05:00:00 総合診療医の必要性を語る狩野院長(益田市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180916-OYTAI50005-T.jpg?type=thumbnail

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