講師採用 対応後手に

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

英語担当教員の採用が遅れた松江市立第三中学校(松江市東朝日町で)
英語担当教員の採用が遅れた松江市立第三中学校(松江市東朝日町で)

 ◇中学英語の授業 1か月なし

 ◇説明遅れ保護者憤り

 松江市立第三中学校(東朝日町)で、英語の非常勤講師の採用が遅れ、3年生(3クラス)が4月以降約1か月間、英語の授業を受けられなかった。県と市の教育委員会がスムーズに採用できなかったのが原因だが、異例の事態に保護者らは不信感を募らせている。原因と課題を追った。(中筋夏樹)

 「久々すぎて英語を忘れちゃった。思い出すのが大変」。同校の参観日があった今月12日、授業を終えた3年の女子生徒(14)は複雑な表情を浮かべた。3年生89人が今学期最初の英語の授業を受けたのは今月7日だ。

 市教委などによると、同校では今年度の英語を1、2年は正規教員各1人、3年は非常勤講師1人が担当することを決め、県教委と市教委が例年と同じ3月中旬から人選を始めた。

 人選の基になるのは、県教委がつくる講師の志願票リストと、松江市教委が把握している講師や教諭の経験者の情報だ。市教委は数人に声をかけたが、条件が合わず断られたという。

 新学期直前の4月6日頃に打診した候補者は勤務を希望したが、教員免許が更新されていなかった。免許回復後に勤務することで合意し、市教委は免許を更新する2~4週間だけを担う別の非常勤講師を起用しようと数人に打診したが断られたという。

 結局、非常勤講師が赴任したのは今月16日だった。同校の池田宗市校長(57)は「始業式直前まで配置されると思っていた」と明かす。

 直前になって市教委から「赴任が間に合わない」と聞かされたというが「1週間ほどで決まると思っていた。長期間来ないとわかっていれば別の対応があった」と振り返る。短期の遅れは後で取り戻せる上、教員が度々代わるのは良くないと判断し、代理の教員は置かなかったという。

 12日のPTA総会で、池田校長は保護者ら約80人に「学ぶべき時期が遅れたことについては非常に申し訳なく思っている」と謝罪した。

 3年生の子どもを持つ母親は取材に「保護者に今まで説明がなかったことがおかしい」と憤った。4月に子どもから「英語の授業がない」と聞いて教員不在がわかった。「高校入試を控える3年生の1か月間はとても大切。他校の生徒より遅れないかと親も子も焦りを感じている」と語り、塾に通わせる回数を増やしたという。

 同校は50分授業約10コマ分の授業の遅れを6月までに取り戻す方針だ。

 教員の人事権を持つ県教委学校企画課は「勤務希望が多い松江で年度当初に講師が決まらず、授業に影響が出るのは異例」という。例年、正規教員の人事異動案決定後、欠員を埋める形で講師を採用しており、講師を探す時期を前倒しすることは難しいといい、「今後も起こりうる問題」とする。

 同課は、「大阪や京都の教育大などにも出向いて希望者を募るほか、講師志願者を希望勤務地ごとに分けたリストを作成したり、教員・講師の経験者をよく知る市町村とこれまで以上に協力して勧誘したりすることを検討したい」としている。

不在他にも/

 県教委によると、今年度は松江市立第二中学校(西川津町)でも保健室などで働く養護教員2人のうち育児休業する教諭の代わりになる常勤講師が決まらず、4月26日まで欠員のままだった。赴任まで教諭1人でカバーし、トラブルはなかった。

 また、2017年度にも同市立中学校で英語講師が4月17日まで配置されず、ほかの教員がカバーして授業をしていた。16年度は大田市立小学校で常勤講師が見つからず、赴任が4月13日になるケースもあったという。

無断転載禁止
22356 0 NEWS EYE 2018/05/18 05:00:00 2018/05/18 05:00:00 3年生の英語の授業が1か月間行われていなかった松江市立松江第三中学校。JR松江駅にも近い市街地の学校で起きた教員不足に保護者は不信感を募らせている(松江市東朝日町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180517-OYTAI50014-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

一緒に読もう新聞コンクール

新着クーポン

NEW
参考画像
800円650円
NEW
参考画像
ご宿泊のお客様にコーヒー1杯サービス
NEW
参考画像
2000円1800円
NEW
参考画像
1100円550円
NEW
参考画像
790円720円

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
挑むKANSAI
読売新聞社からのお知らせ