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こりこり糸造り 甘み上品・・・宍道湖の寒ブナ

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刺し網にかかった寒ブナから網を丁寧に外していく(松江市の宍道湖で)
刺し網にかかった寒ブナから網を丁寧に外していく(松江市の宍道湖で)
宍道湖の冬の味覚、寒ブナ(奥は嫁ヶ島、松江市の宍道湖で)
宍道湖の冬の味覚、寒ブナ(奥は嫁ヶ島、松江市の宍道湖で)
寒ブナの刺し身定食(松江市で)
寒ブナの刺し身定食(松江市で)

 ◇あら汁 豆腐にうま味

 「この刺し身食べてみいだわね」と、白身の刺し身を松江市内の家庭料理の店で勧められた。薄い桃色。1切れつまむと上品な甘みとうま味が広がった。初めての味。さらに2切れ3切れ……。「宍道湖の寒ブナ」と教わった。

 どうやってとるのだろうか。姿は、大きさは――。疑問が次々と湧き、宍道湖漁協の桑原正樹さん(33)の刺し網漁に同行させてもらった。

 宍道湖大橋近くから船で約15分、沖合に出ると、目印に赤い旗をつけたブイ6本が波間に揺れていた。刺し網は1枚長さ50メートル、深さが約2メートル。ブイとブイの間に9枚、約450メートルにわたってつなぎ、泳いでいるフナを網目で捕らえる。

 漁は、船の上から網をひたすら手繰っていく。「いました。目では見えませんが、手応えで分かるんですよ」。桑原さんが網を上げると、30センチ近い丸々と太ったフナが網に絡まり、船上でぴちっと跳ねた。

 網から外す作業も大変だ。ウロコを傷つけないように、細い金属の棒で先が曲がった専用の道具で網を外していく。最後は頭から尾の方向にスルッと抜けた。

 漁は約2時間、寒風の中で続いた。帰りの船内のいけすでは、8匹が泳いでいた。

 漁協によると、宍道湖のフナは1960年代から70年代半ばにかけてよく揚がり、漁獲量が年間700トンを超えた年もあった。その後は、食生活の変化などで需要が減少。2005年から漁獲量調査の方法が変わったこともあり、一昨年までの10年間は7~20トンで推移している。漁協では資源管理のため、1981年から毎年、稚魚を放流している。高橋正治参事(59)は「寒ブナは『(宍道湖)七珍』には入っていないが、宍道湖を代表する魚。おいしさをPRしていきたい」と話す。イベント会場で試食してもらうなど、需要拡大に力を入れていくという。

 寒ブナのおいしさの秘密を突き止めるため、店の前に宍道湖が広がる松江市秋鹿町の「お食事処しょくじどころ 福吉」を訪ねた。

 店主の福田栄吉さん(71)は東京・日本橋の料亭などで修業した後、75年に店を構え、毎冬に寒ブナを出している。

 福田さんが生まれた秋鹿町など宍道湖一帯では、年末年始に寒ブナを食べる習慣があり、開店当時から人気メニューだったという。「汽水湖なので泥臭さがないという人が多い。甘みがあってこりこりしている」。小雪が舞い始める11月下旬から3月にかけてが旬だという。

 刺し身はそいだ身を細長く切る「糸造り」。身をとった残りの骨や皮は「あら汁」にする。店では、いけすで生かした魚を、その場でさばく。あら汁はお客さんの要望で1晩寝かしている。寒ブナのおいしさが豆腐に染み込むそうだ。

 勧めに従って、刺し身はショウガじょうゆでいただいた。続いてあら汁。宍道湖の恵みをまた一つ知ることができた喜びをかみしめた。(山本紀)

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57424 0 食彩記 2019/01/20 05:00:00 2019/01/21 13:36:42 刺し網にかかった寒ブナから網を丁寧に外していく(松江市の宍道湖で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190119-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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