<開港25年 石見空港>4 ファンの輪 活性化に光

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空港を望む広場で、仲間と航空談議に花を咲かす有田さん(中央)(益田市で)
空港を望む広場で、仲間と航空談議に花を咲かす有田さん(中央)(益田市で)

 ◇SNSで交流撮影や見学会

 曇天、無風の夕刻。益田市乙吉町の会社員有田学さん(41)は、石見空港に隣接する「風の丘広場」(益田市)に立った。航空ファンの仲間2人も一緒だ。

 眼下の滑走路西端で離陸態勢に入った機体が轟音ごうおんを上げて走り出し、ちょうど目の前でふわっと浮いた。機首をさらに持ち上げ上昇すると、左手の海側へ向け、優美な線を描いて飛び去った。

 3人は、望遠レンズを装着した一眼レフカメラを下ろすと「離陸が少し遅かったね」「客をたくさん乗せていたのかも」と語り合った。「上昇する時のあのひねりがいいよね」「今日の上がりは格好いい」。過去に見たイメージとの比較も楽しむ。

■来訪呼びかけ

 有田さんは2013年、フェイスブック上に航空ファンが交流するグループ「飛行機って最高!」をつくった。現在、200人以上が参加し、メンバーが交互に航空会社の整備場見学会を開いたり、各地の飛行場に集まったりして交流を深めている。

 石見空港では減便後、13年度に羽田便が2往復化されたものの搭乗率が低迷。「利用拡大に」と有田さんがメンバーに来訪を呼びかけたところ、15年5月に埼玉県や大分県、名古屋市などから約10人が羽田便などで石見空港に集まった。

 その一人、同市中区の商社員斎藤潔さん(56)は、「飛行機で日本海側から入ったが、着陸する寸前まで海が見えてダイナミックだった」と当時の感動を語る。

 現在、グループで企画中なのは、同空港の滑走路をコースに組み込んだ今年10月開催の「萩・石見空港マラソン全国大会」に合わせた懇親会だ。

 千葉県我孫子市のパート小野沙耶果さん(39)は、マラソンの経験はないが10キロの部に申し込んだ。「滑走路なんてめったに走れない。ブレーキ痕を見て、飛行機の着陸を実感してみたい」と楽しみにしている。

■空港の可能性

 これまで石見地域とは無縁だった人たちが趣味を通じて石見空港に集まり、交流を広げている。有田さんは「空港があったからこそできた縁。ここまで広がるなんて想像できなかった」と話す。

 風の丘広場で有田さんと一緒に写真を撮っていた益田市中垣内町のIT関連会社社長岡崎信広さん(41)は飛行機を絡めた情景写真が得意で、作品が空港内のレストランに飾られたこともある。「自分が撮った写真で地域のことを発信し、役に立ちたい」と話す。

 平常は約170席の羽田便が2往復する石見空港。東京一極集中を前提にした運航を見直し、空港から地方を活性化する方法を探ろうと有田さんは、国内では普及が進んでいない小型ジェット機に目をつけた。

 地方都市同士を直接結び、柔軟な運航ができれば活路が開けるのではないか。行政を巻き込み、県内のケーブルテレビ会社などと小型ジェット機の利点を知ってもらう取り組みを始めている。「新たな地方空港のあり方を示していきたい」。未来へと飛び立つ空港を夢見る。(おわり、この連載は立山光一郎が担当しました)

 ◇パタパタ表示器 レトロ感

今では珍しくなったフラップ式表示器(益田市の石見空港で)
今では珍しくなったフラップ式表示器(益田市の石見空港で)

 石見空港で航空機の出発や到着、遅延などを知らせるのは、国内の空港では珍しくなった「フラップ式表示器」=写真=だ。パタパタと音を立てて表示が変わる様子にレトロさを感じる航空ファンもいる。イタリア製で、国内で取り扱っている京三製作所(横浜市)によると生産は終了し、現在は液晶の表示器が主流という。同空港のほか徳島空港や函館空港などでも現役だ。

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28445 0 shimaneの今 2018/06/30 05:00:00 2019/01/16 11:52:12 空港を望む公園で、仲間と航空談議に花を咲かす有田さん(中央)(益田市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180629-OYTAI50010-T.jpg?type=thumbnail

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