笑顔で応援 勝利導く
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スサノオマジック
アクア☆マジック
ゴーゴーマジック♪ ゴーゴーマジック♪――。軽快な音楽に合わせ、ブースター(観客)と一緒にホーム戦を熱く盛り上げているのが、島根スサノオマジックのチアガール「アクア☆マジック」だ。
オープニングやクオーター間だけに登場すると思いきや、90秒間のタイムアウトでもコートに走り出るなど、1試合を通してダンスや告知に飛び回る。「試合があった日はアドレナリンが出て眠れない」とキャプテンのAMIさん(22)は客席と一体となるチアのやりがいを話す。
アクア☆マジックは今シーズン、結成から11年目を迎えた。メンバーは1年ごとのオーディションで選ばれて活動する。現在、学生や社会人の14人がジャズダンスを中心にヒップホップなどの要素を取り入れた力強いダンスを見せている。
AMIさんが加わったのは高校2年生だった2015年。小さい頃からチアダンスや新体操などをしており、アクア☆マジックのメンバーだった姉の影響で加入した。当初は「ダンスの振り付けやスケジュールを覚えるのに苦労し、先輩についていくので精いっぱいだった」と振り返る。
19年にキャプテンになってからは、試合展開に合わせて流す曲の順番を変えるなど、演出スタッフと一緒に構成にも関わっている。
ホーム戦のスケジュールは秒刻みだ。アクア☆マジックのメンバーは、「ティップオフ」と呼ばれる試合開始の4~6時間ほど前にはリハーサルを行う。試合中はコートサイドで応援し、合間には、オフィシャルパートナーの紹介をしたり、コロナ対策のボードを掲げて注意喚起をしたりと息つく暇もない。
明るく盛り上げるのが務めだが、苦しい時もある。昨年12月、チームは8連敗を重ねた。連敗期間中は、「選手と同じ気持ちになって」落ちこんだという。
そんな時、支えになったのは「試合は負けたけど、アクアは良かった」「元気をもらえた」と声を掛けてくれるブースターの存在だった。「お客さんがいるから頑張ることができる」とAMIさん。「負けている時こそ、くよくよしていられない。見に来た人には楽しんで帰ってもらいたい」と前を向いた。
コロナ禍で昨年10月のシーズン開幕時から、声を上げたり、タオルを振ったりする従来の応援方法が禁止されている。それでも、ブースターらの声を録音して攻撃や守備の際に流したり、メガホンをたたきたくなる音楽で応援をリードしたりと、工夫を重ねている。
26日のホーム戦から、ポニーテールが目印の「Pretty Sky(プリティスカイ)」と、ストレートのロングヘアで踊る「Beauty Marine(ビューティーマリン)」の二つのユニットに分かれて独自のダンスを披露する。
「応援は選手に必ず届くはず。勝利に導けるようにこれからも笑顔でやっていきたい」。AMIさんはそう言ってほほえんだ。