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今月4日午前、浜田市内の田園地帯。1羽のコウノトリが餌を探していた。田んぼに突っ込んだ鋭く長いくちばしを揺らしたり、あぜの草むらをつついたり。しばらくして、別の田んぼに飛び立っていった。
「コウノトリが飛来している」。読者の農業男性(79)から情報が寄せられたのは、2日のこと。駆けつけた3日は空振りに終わり、“捜索2日目”のことだった。
地元住民によると、コウノトリは少なくとも5月下旬にはおり、2羽でいることもあったという。一帯では、農家の住民らが「一緒に農作業をしているみたい」と目を細め、餌を探す姿を温かく見守っている。
県立三瓶自然館サヒメル(大田市)によると、この1羽は、昨年4月に兵庫県豊岡市で
目撃情報を共有する民間のウェブサイト「コウノトリ市民科学」というものもある。それによると、この1羽は豊岡市を経て昨年7、9月に雲南市、同10月に鳥取県で確認されている。以降は今年3月まで豊岡市内を転々としている。
コウノトリは肉食性でカエルやヘビ、ドジョウなどを1日1キロ・グラム程度食べるのだとか。「長期間の滞在は、自然が豊かということでもある」と学芸課企画幹で鳥類担当の星野由美子さん。「地域の方々には『身近な住民が遊びに来た』という感覚で見守って」と呼びかける。(佐藤祐理)
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「ジニスル」は、記者が目にした絵になる風景やユニークな出来事を、写真と共に「字にする」企画です。随時、掲載します。