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有福温泉で「仕事+休暇」・・・街全体「一つのホテル」に

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 泊食分離や体験メニュー

 過疎化や観光客の減少が進む江津市の有福温泉の再生につなげようと、市は新年度、民間の力を生かして温泉街で働きながら休暇をとる「ワーケーション」の環境を整える。温泉街全体を「一つのホテル」と捉え、旅館は宿泊に特化し、食事は温泉街の空き店舗に入る企業が担う「泊食分離」方式とし、同温泉ならではの体験メニューも用意して長期滞在につなげる狙いがある。(佐藤祐理)

 約1400年の歴史がある同温泉は、2010年に複数の旅館が全焼する火災、13年には豪雨災害に相次いで遭遇。旅館やカフェの廃業が相次ぎ、現在は旅館3施設だけとなっている。温泉街のある湯町地区は、過去10年で人口が27%減り、空き家も増え続けている。

 また、県によると、02年に11万9629人だった観光客が、19年には半分以下の4万4430人に減少。宿泊客も右肩下がりで、市によると、18年には、00年の2割ほどの6217人まで落ち込んでいる。

 一方、市は、美肌の湯として知られ、石畳のある景色で「山陰の伊香保」と親しまれた同温泉の再生を模索する。20年度は金融機関や旅館、自治会を交えた再生プロジェクト会議を設置し、専門家の助言を得て基本理念を策定。温泉街の空き店舗や旅館の改修などを進めつつ、公衆浴場や近隣の地域資源を組み合わせ、ワーケーション環境を整備する方向性を示した。

 既存の旅館は、料理人の人件費が大きな負担となっているため、計画では、参加する旅館は「宿泊」への特化で利益率アップを目指す。宿泊客は温泉街中心部の空き店舗を改修したセントラルキッチンで食事をとり、旅館のチェックインも同所で行えるようにする。また、カフェ跡にビアバーや土産物店の役割を持たせる構想もある。

 ソフト面でも、長く滞在しやすい仕掛けをつくる。市内の教育関連企業による右脳教育体験や、NPO法人による自然の中での保育体験などを組み合わせ、子連れでも楽しめる滞在メニューを商品化していく。

 市は5月頃に交付が決まる国の事業を念頭に、企業参入が円滑に進むよう調整にすでに着手。セントラルキッチンは飲食事業を手がける広島市の企業、ビアバーには江津市の企業が進出する見込みだ。休眠状態の旅館1軒についても、市内の建設会社がゲストハウスにする予定になっている。

 市は、2021年度当初予算案に関係事業費約8300万円を計上し、開会中の市議会に提出。一連の取り組みで、温泉街の空き家を生かして20~40歳代の移住者の呼び込みや、魅力的な働き場づくりにつなげる狙いもある。市地域振興課の中川哉課長は「コロナ禍の影響も受け、非常に厳しいが、連綿と続いてきた温泉地を守り、にぎわい創出や地域の担い手確保も目指したい」としている。

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1901418 0 ニュース 2021/03/11 05:00:00 2021/03/11 05:00:00 2021/03/11 05:00:00

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