小中一貫って何?〈2〉引佐北部小中学校 

[読者会員限定]
無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

「6・3」制 柔軟に変更

学校で育てた米を販売する児童たち。上級生の姿を見て、「自分たちも何かできないか」と考えて参加を決めたという(1日、引佐北部小中学校で)
学校で育てた米を販売する児童たち。上級生の姿を見て、「自分たちも何かできないか」と考えて参加を決めたという(1日、引佐北部小中学校で)

 「ここでとれたお米はいかがですか」。浜松市の山間部にある市立引佐いなさ北部小中学校【下記メモ】で1日、農産加工品などを即売する恒例イベントが開かれた。3、4年生23人は来場者に声をかけ、学校前の田んぼで育てた米を販売していた。

 3年生は2か月前から価格設定や宣伝方法を考え、4年生はフォロワー(支援者)という役割で、その活動を見守ってきた。

 3年鈴木心都輝ことき君(9)は「初等部リーダーになる自信がついた」と目を輝かせれば、4年村尾宣紀君(10)は「3年生に考えさせることも必要だけど、困っている時には声をかけて安心させることも大切だなと思った」と話す。

 同校は、初等部(小1~4)、中等部(小5~中1)、高等部(中2~3)という「4・3・2」制を採用する。発達段階に応じた教育を行うのが狙いだ。

 その具体的な取り組みの一つが、「リーダー・フォロワー体験」。初・中・高等部のそれぞれの最上級生が指導役となるほか、成長に応じて、学校行事の仕切り役や全校リーダーなどと役割を広げて、自立性や社会性を育む。

 石野政史校長(51)は「リーダー・フォロワー体験を効果的に組み合わせることで、子どもに自信をつけさせたり、自分の可能性を発見させたりできる」と説明する。

 義務教育期間の区切りを柔軟に変えられるのが、小中一貫教育の特徴だ。

 文部科学省の小中一貫教育の導入状況調査(2017年3月)によると、回答があった584例のうち、「4・3・2」制が最も多く198例だった。「6・3」も194例と多かったが、「4・5」や「5・4」というケースも少数だが、あった。「未定・検討中」などの回答が171例だった。

 区切り変更の背景には、子どもの身体的成長の早期化や、「学校の勉強が好き」という反応が小学高学年から急速に減るといった傾向などがある。小学段階から、教科担任制や部活動など中学の指導法の導入が必要だと考えられてきたのだ。

 ただ、どう区切るのがいいのかの結論はない。

 浜松市西区の舘山寺温泉街に近い市立庄内学園は14年に「4・3・2」制で開校したが、翌年度に「4・2・3」制に変更した。

 近くの村櫛小の児童が中学から入学してくることに配慮したという理由が大きいが、従来の6年生が最上級生ではなくなり、自尊心の育成が課題にもなったのだという。

 同校の学校経営構想にはこう記されている。「中等部のくくりを意識しすぎたためか、小学6年生が活躍する場が少なく、最上級生らしいリーダー性や自己有用感が育たなかった反省があった」

 浜松城公園の隣の浜松中部学園(浜松市中区)も「4・2・3」制だ。

 引佐北部の石野校長は「区切りの狙いは各学校それぞれ。小中一貫で大事なのは、学びと育ちをつなぎ、ひとり一人の良さや可能性を伸ばすことだ」と話す。区切りをどう生かすか。各学校の取り組みは続く。

(植村直人)

【引佐北部小中学校メモ】2012年に開校した県内初の公立小中一貫校。施設一体型で、児童67人、生徒35人。6年生は卒業式ではなく、中学に向けての決意を表明する「はばたきの式」を行う。

455262 1 教室から~しずおか教育~ 2019/02/08 05:00:00 2019/02/08 05:00:00 2019/02/08 05:00:00 米を販売する児童たち。上級生の姿を見て、「自分たちも何かできないか」と考えて参加を決めたという(引佐北部小中学校で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190221-OYTAI50011-T.jpg?type=thumbnail

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ