ニジマス養殖地下海水で 国内初

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 地中を通る地下海水を使って寄生虫「アニサキス」が体内にいないニジマスを養殖する国内初の事業が、年内にも静岡市清水区三保で始まる。市や運営主体のリース大手「日建リース工業」(東京都)は、安全性という付加価値をアピールすることでブランド化を図る。

 養殖施設は、東海大が所有する旧三保文化ランドに整備する。敷地面積は約4500平方メートルで、市が大学から借り受けた。大小計20の水槽を設置し、三保半島の地下海水を地下約50メートルからくみ上げ、ニジマスの稚魚を飼育する。

 事業計画では、稚魚は約半年かけて1・5~2キロ・グラムに育て、来年6月の初出荷を目指す。価格は一般的なニジマスより高い1キロ・グラムあたり2000~3000円程度を目安にする。出荷量の目標は初年度の2020年度が約20トン、24年度が約55トンと設定した。

 事業化は、東海大海洋学部の秋山信彦教授(水産増殖学)が三保の地下海水を活用したアニサキスの心配のない魚の養殖を研究していたことがきっかけだった。

 通常の海水での養殖では、魚がアニサキスを持ったオキアミを食べる。人間がその魚を食べることで幼虫が胃壁などに侵入し、アレルギー反応で腹痛や吐くなどの症状が出ることがある。一方の地下海水は地中でアニサキスが濾過ろかされるため、食中毒のリスクが少なくなる。

 秋山教授がニジマスの稚魚を育てたところ偶然にもうまく成長した。三保の地下海水は年間を通して水温が17~19度と比較的高く、ニジマスの生育に適した環境だった。

 加熱や冷凍をせずに活魚のまま流通させられれば、他のブランドとの差別化ができる。品質も、地下海水を養殖に使うと臭みがなく身が締まるという。

 漁業など事業の多角化を目指す日建リースと共同研究が始まり、事業が本格的にスタートした。市は初期投資の助成などで参加し、地元の金融機関も融資を決めた。

 ただ、課題もある。稚魚は県外から購入する予定だが、海外種との交配で生まれた場合、地下海水に順応しないことがあるという。今後は稚魚の調達を自前で行うなど、生育の確率をどう高めるかが事業成功のカギとなりそうだ。

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634648 0 ニュース 2019/06/13 05:00:00 2019/06/13 05:00:00 2019/06/13 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/06/20190613-OYTNI50000-T.jpg?type=thumbnail

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