生前の姿スマホに保存 写真や動画死後に公開 「形見」アプリ開発

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形見のスマホを充電しておけば、画面にたき火が表示され、限定画像の公開日を教えてくれる(とこしえ提供)
形見のスマホを充電しておけば、画面にたき火が表示され、限定画像の公開日を教えてくれる(とこしえ提供)

 脳出血による右半身まひと闘いながら電子楽器テルミンの公演活動を続けてきた元音響技師の竹内正実さん(53)(浜松市西区)が、愛用のスマートフォンに自身の写真や動画を取り込むアプリ「とこしえ」を開発した。「デジタル形見」とも言えるもので、内容は死後に初めて公開される。死と向き合った竹内さんは「死への準備が少しだけ楽しみになる」と話している。

 アプリ「とこしえ」は二つの機能で構成。写真や動画を取り込み、自分がどんな人物だったかを伝える機能「ノコス」と、死後を託された人が閲覧できる機能「ツナグ」だ。

 形見を残す人が画像や動画を限定して公開日を設定。託された人はパスワードとして命日を入力し、アプリを起動させ、閲覧する。すると、スマホの画面では亡くなった人が現世に帰ってきたかのように振る舞う。

 託された人は「とこしえ化」することで内容の編集が一切出来なくなり、ネットにもつながらないため、思いや秘密は保たれる。竹内さんは「死後も大切な誰かを笑わせ、励ますことができる」と強調する。

 竹内さんは、音響技師だった30年前、アンテナに手をかざすことで重厚なチェロのような音を奏でるテルミンに魅了された。本場ロシアに渡って演奏法を学び、帰国後、各地で演奏会を開いて国内で普及させた。その一方、アプリの企画や販売を手がける会社を2014年に設立し、とこしえの開発を始めた。

 倒れたのはその2年後だ。公演の開幕直後、羽交い締めにされたような感覚にとらわれた。こらえて舞台に立ち続け、終了後、病院に担ぎ込まれた。一命は取り留めたが、右半身にまひが残り、アプリ開発も中断した。

 「自らの死と向かい合うきっかけとなった」。この時、死を考えることは生を考えることだと実感し、アプリの開発を再開した。上げることができなかった右腕は懸命のリハビリで動くようになった。開発に向け、インターネットで支援を募ると、弟子のテルミン愛好者ら約60人から54万円余りが集まった。アプリは今年4月に完成した。

 アプリ「とこしえ」の一般提供は今年9月を予定している。動画などを収める「ノコス」は年会費(税込み1100円)が発生する。閲覧(公開)後は無料。当面はiPhone(アイフォーン)などのiOS版のみで、アンドロイド版は将来的に公開する。

 問い合わせは、合同会社とこしえへ。電話は053・570・6685、電子メールはinfo@tokoshie.biz

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1240464 0 ニュース 2020/05/26 05:00:00 2020/05/26 05:00:00 2020/05/26 05:00:00 形見のスマホを充電しておけば、画面にたき火が表示され、限定画像の公開日を教えてくれる(とこしえ提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/05/20200525-OYTNI50027-T.jpg?type=thumbnail

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