浜松の71歳国を提訴 視覚障害で強制不妊

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国に損害賠償を求めて静岡地裁浜松支部に提訴する武藤さん(手前右)と原告弁護団(3日、浜松市中区で)
国に損害賠償を求めて静岡地裁浜松支部に提訴する武藤さん(手前右)と原告弁護団(3日、浜松市中区で)

 旧優生保護法の下で視覚障害を理由に不妊手術を強制されたとして、浜松市の武藤千重子さん(71)が3日、国に計3300万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁浜松支部に起こした。浜松市内で記者会見した武藤さんは「法律があったことは40年全く知らなかった。こんな法律があったのかと、悔しくてどうしようもない」と語った。

 訴状によると、武藤さんは小学生の頃から視力が悪化し、高校では黒板が全く見えなくなった。卒業後に目の疾患が明らかになり、結婚して2人目の子どもを出産した1977年9月、病院側から「3人目は(疾患が)遺伝しないとは限らない」と言われ、不妊手術を受けさせられた。

 手術時は28歳だった。武藤さんは「真っ暗闇の中で手術を受け、気持ちはどん底だった。ひとりぼっちで心細かった」と振り返る。2人の子どもが女の子で、男の子がほしかったが、「3人目を産みたい」という願いは絶たれた。87年に難病の網膜色素変性症の確定診断を受けた。

 旧優生保護法の存在は1年ほど前、点字の新聞で知った。「私だけじゃない。産むことさえできない人もいたんだ」とショックを受けた。弁護士に相談し、提訴を決めた。

 弁護団によると、強制不妊手術を巡る訴訟の原告は全国で25人目。視覚障害者が原告となるのは初めて。全国の訴訟では、仙台地裁と東京地裁で判決があり、いずれも手術の違法性を認めながら請求は棄却された。不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」が壁となった。

 弁護団事務局長の佐野雅則弁護士は「仮に国の違法性が認められても、除斥期間の問題をどう突破するかが重要となる」と指摘した。

 県内では他に、聴覚障害を持つ女性が2019年1月に静岡地裁に提訴している。

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1318768 0 ニュース 2020/07/04 05:00:00 2020/07/04 05:00:00 2020/07/04 05:00:00 国に損害賠償を求めて提訴した武藤さん(手前右)と原告弁護団(3日午前9時59分、浜松市中区中央の静岡地裁浜松支部で)=村瀬駿太郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/07/20200703-OYTNI50011-T.jpg?type=thumbnail

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