奪われた命考える 等身大ボードや靴展示

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

展示されている亡くなった方々の生きた証しの靴とボード(15日、沼津商で)
展示されている亡くなった方々の生きた証しの靴とボード(15日、沼津商で)

 事件や事故などで若くして不慮の死を遂げた被害者の靴と等身大のボードを、生きた証しとして展示する「生命のメッセージ展」が清水町徳倉の県立沼津商業高校で開かれている。生徒向けの展示だが、オープンキャンパスのきょう17日は一般にも公開する。

 高校生に「いのち」の尊さを実感してもらおうと、県が毎年主催し、特定非営利活動法人「いのちのミュージアム」(東京都)が展示企画している。12日から始まった沼津商では、生徒用の玄関前に30人の遺影と亡くなった経緯などが書かれたボードを並べた。その足元には生前に履いていた靴を展示している。

 幼くして亡くなった被害者も多い。2001年6月に兄と通学中に交通事故に遭い、8歳で亡くなった青森県の男子児童のボードの足元には、大好きだった青色のサンダルがある。通っていた学校の教諭が加害者だったという。展示を担当する大久保匡人教諭(39)は、「この話を見たときに、同じ教諭ということもあり、心に刺さった」と話した。

 近くにはさらに小さなサンダルが置かれている。愛知県の女児(当時3歳)が愛用していたものだ。女児は02年9月、安全なはずの保育園にいたのに、隣接する園の屋上駐車場から誤操作で転落した車の下敷きになって亡くなった。

 生徒らと同世代の若者もいる。1年生の女子高生(16)は、03年9月に北海道で自転車通学中に、暴走トラックにはねられて亡くなった女性(当時14歳)のボードを見入っていた。家族が20歳の成人式を迎えた娘を思い描いた晴れ着姿のコラージュ写真がそばに添えられている。鈴木さんは「家族の思いに胸が痛む。自分も自転車通学なので、交差点などで気を付けるようになった」と語った。

 展示を毎日見るようにしている3年生の男子高生(18)は、「被害者一人だけでなく、家族や加害者の人生すら、奪ってしまう事故。不注意では済まない」と感じたと言う。消防士を目指しており、「若い今のこの時に、展示を見ることができて良かった。命のことをしっかり考えたい」と語った。

 沼津商は約600人の生徒のうち約500人が自転車通学。交通事故への意識を高めてもらおうと、登下校時に何度でも見ることができる玄関前に展示した。大久保教諭は、「幼くして亡くなった方の心の叫びが、生徒たちに響いてほしい」と話している。

無断転載・複製を禁じます
1554582 0 ニュース 2020/10/17 05:00:00 2020/10/17 05:00:00 2020/10/17 05:00:00 事件や事故被害者の生きた証しの靴と人型ボードを展示する「生命のメッセージ展」(県立沼津商業高校で)=安江清彦撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201016-OYTNI50018-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ