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松崎町で桑を栽培し、葉の粉末でお茶やお菓子のかりんとうなどを作っている町民有志の企業組合「松崎桑葉ファーム」が今月、桑の実ジャムの本格生産を始めた。町内の直営店「くわや」などで販売している。材料はいずれも無農薬栽培の桑の実とレモン、砂糖のみ。爽やかな酸味と甘みが融合した逸品となっている。
同町では幕末から昭和初期にかけ、桑栽培が盛んだった。桑の葉には食物繊維やミネラルなどが豊富に含まれていることから、町などは桑の葉生産の歴史と伝統を継承し、それを利用しての町おこしを計画。2014年に同ファームを設立した。
当初、製品は葉を利用したもののみだったが、数年前に実を使った新たな商品の開発を検討。20年春に実を付ける木の苗を新たに25本植え、今年は育った木から、本格的に実の収穫ができるようになった。
新製品は当初からジャムと決めており、一昨年、昨年と少量の試作品を製造。出来栄えなどを調べてきた。その結果、今年から本格生産と販売を決定。試作品より水分量を減らすなどの工夫を凝らした。
これまでに収穫できた実は約200キロ・グラム。レモンも組合員が生産したものを使い、製造も組合員が手作業で行っている。実を煮詰め、砂糖を加えて出来上がったジャムは、使用した実とほぼ同じ重さになる。
商品名は「伊豆・松崎産 くわやのくわジャム」。瓶入りで、容量120グラム入り(税込み700円)と200グラム入り(同1000円)の2種類。
同ファーム代表理事の土屋嘉克さん(67)は、「将来的には町外で多くを販売できるようにし、生産で町内の雇用を生み出したい」と意気込む。
問い合わせなどは、くわや(0558・43・1670)へ。
松崎桑葉ファームが販売を始めた桑の実ジャム(17日、松崎町で)