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    屋台横丁 次の段階へ

    村上  村上龍也 社長50

    • 「街中を盛り上げるためにやれることは何でもやっていきたい」と語る村上社長=戸丸由紀子撮影
      「街中を盛り上げるためにやれることは何でもやっていきたい」と語る村上社長=戸丸由紀子撮影

     宇都宮市中心部の路地に23軒の屋台が並ぶ「宇都宮屋台横丁」は昨年、オープンから10年を迎えた。運営する「村上」(宇都宮市)は、市内で二つのスーパー銭湯も経営する。肥料商として創業してからまもなく140年を迎えるが、事業を変化させ、時代の流れに対応してきた。同社の村上龍也社長(50)が考えるのは「大衆文化の伝承」と、「中心市街地の活性化」だ。(聞き手・戸丸由紀子)

    ◇石油販売転身

     ――石油販売業から温浴事業運営と大きく事業を替えた。なぜ決断したのか。

     「大手石油メーカーで働いてから家業に入ったのですが、『この先、やっていけるのだろうか』と考えるようになりました。石油業界を取り巻く環境も厳しくなっていましたし、環境問題への意識が高まって大量に石油を使うことが社会悪という認識が出てきたことも影響しました」

     「愛知県で人気が出始めていたスーパー銭湯の運営を新規事業として始めましたが、最初から温浴施設と決めていたわけではありません。石油業界と違ってメーカーの影響を受けずに、現金主体で商売ができるというメリットがありました」

     ――2000年の2店舗目以降は出店していない。

     「当初は宇都宮市内に4店舗を計画しましたが、2店を作る間に別の温浴施設が2か所できてしまいました。そこで、県内にこだわらず、仙台市や横浜市あたりまでエリアを広げて出店計画を練っていたのですが、店は増やしませんでした」

     「事業を始めてしばらくして、大手住宅メーカーなどの大企業がどんどん温浴施設に参入してきました。体力勝負の価格競争が始まり、集客のために常に施設を新しくしなければなりません。作った時の借金を返しても、メンテナンスのためにまた借りる、ということになりかねません。だから、出店は慎重にしたい、というのが結論です。ただ、今後、従来の郊外型のスーパー銭湯ではなく、新たな形の温浴施設に取り組むという可能性はあります」

    ◆大衆文化伝承街を活性化

     ――温浴施設以外に、「宇都宮屋台横丁」を運営している。

     「市の中心部に屋台村があったらいいという話はあったのですが、具体化していませんでした。誰もやらないならやろうと思いました。創業当時、うちの会社は石町こくちょう(現在の二番町)にあり、私も小学校までは市中心部の学校に通っていました。だから、中心部を盛り上げたいという気持ちも強かった。それに、銭湯も屋台も大衆文化という点では同じです。どちらも大切にしたい」

    ◇空き店舗なし

     ――昨年10周年を迎えたが、空き店舗もなく、多くの人が利用している。

     「ありがたいことに、独立で店が抜けても、入りたいという人が常にいます。ただ、課題もあります。周辺の企業や商工会議所などと話したところ、『活性化イベントが減ったんじゃないか』『若い人ばかりが集まる場所になったのではないか』などの意見が次々と出ました。屋台横丁の魅力を高めるにはどうすればいいか、次のステップを考える時期にきているのかなと思います」

    ◇「柱」複数必要

     ――温浴施設や飲食施設は競争も厳しい。どのように成長を目指すか。

     「我々はサービス業で、特殊な技術があるわけではありません。これから技術を習得することも必要ですし、生き残っていくには、事業の柱をいくつか持つということも考えなければならないでしょう。安定した収益を上げられる分野への進出も必要で、今後5年ぐらいの間に、さらに事業のあり方を変えていかなければなりません」

     「全国的に人口減少が問題になっています。宇都宮市も将来どうなるかわかりません。北関東のほかの都市と差別化するには、民間も新たな仕掛けをして、地域をどんどん盛り上げていくべきだと考えています」

    ◆屋台村まちづくりに一役

     市街地中心部の空き地を利用した、小規模な店が集まる「屋台村」は、2001年に北海道帯広市で誕生した「北の屋台」が始まりとされる。中心街の空洞化を打開し、人を集めるまちづくり策の一つとして各地に広がった。

     運営主体は協同組合や民間企業、一般社団法人など様々。屋台村自体に人が集まるほか、屋台村で店舗経営を学んだ店主が近くで店を持てば、空き店舗の減少や中心部の利用者増につながるとも期待されている。

     青森県八戸市に事務局がある「全国屋台村連絡協議会」に加盟する屋台村は15以上あり、空きのないところが多いという。

    ◎会社概要

     1877年(明治10年)に肥料商として創業。1935年に「村上石炭店」となり、59年からは石油販売業に進出してガソリンスタンド経営や石油卸などを行う。98年に石油販売業から撤退し、同年、宇都宮市内にスーパー銭湯「コール宝木之湯」を開業。2000年には「コール宇都宮の湯」も。04年から市内中心部で「宇都宮屋台横丁」を運営する。本社は宇都宮市問屋町。社員10人、アルバイトなど70人。

     むらかみ・たつや 1964年、宇都宮市生まれ。明治学院大法学部卒業後、石油メーカーを経て90年入社。2001年から現職。県経済同友会幹事、JR宇都宮駅西口の商業施設「ララスクエア」管理会社社長などを務める。趣味は「乗るのも見るのも磨くのも含めて車」。

    2015年03月04日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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