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    横倉 正一社長64/横倉本店

    • 商品の説明をする横倉社長(3月27日、鹿沼市の横倉本店鹿沼支店で)
      商品の説明をする横倉社長(3月27日、鹿沼市の横倉本店鹿沼支店で)

    お酒卸売り魅力提案型で/特徴、合う料理研究重ね

     県内の酒店やレストラン、ホテルなどに酒類を販売する横倉本店。少子化や高齢化による消費減少など、酒類を巡る環境は厳しさを増している。そんな中でも、横倉正一社長(64)は「酒の良さを伝えるのも我々の仕事」と、販売店への商品情報の提供や、地元の農産物を使った自社ブランド商品の開発などで、酒の魅力や楽しさを消費者に伝えようとしている。(聞き手・中村徹也)

     ――酒の卸売りや、瓶入りのカクテルを開発している。

     「国内の大手ビール会社をはじめ、国内外の酒造会社から仕入れ、酒店などに販売しています。レストランやホテル、居酒屋とも取引があります。また、自社ブランド製品の開発や販売にも挑戦しています」

    市場は縮小傾向 ――国内の酒類の市場は縮小傾向にある。

     「少子化や高齢化の影響を受けており、大手のメーカーは市場の縮小を見据えて欧米やアジアなどでM&A(企業の合併・買収)を行っています。我々卸業者も、この問題から目を背けるわけにはいきません。そこで、提案型の取引を意識しています」

     ――「提案型の取引」とはどのようなものか。

     「酒類市場縮小の背景には、消費者に製品の良さを伝えきれていないことがあると考えています。そこで、ただ商品を売るのではなく、その商品の魅力や、飲み方を伝えようということです。『この製品はこんな材料を使っている』『こんな料理に合う』『こんな変わった飲み方ができる』などと、提案のプロを目指す方針を打ち出しました」

     「以前は、大手メーカーのブランド力で商品を売ることができました。しかし、近年は、ビールを好まない若者が増えていることもあり、各社の主力商品でも苦戦する状況があります。営業の仕事をしていると『何本売った』『何社開拓した』といった数字を強く意識しますが、それだけでは生き残っていけない状況になっているのです。だから、営業担当者には『伝えきること』といつも話しています。その商品の特徴や魅力、全てを伝える、提案のプロを目指そうということです」

     ――商品の情報を詳しく伝えるということか。

     「どんなに優れた商品でも、店頭に並べるだけでは、消費者に魅力は伝わりません。そこで、小さなカード1枚でもいいので、陳列棚にポップ広告を付けさせてほしいと、営業担当者から販売店に交渉させました。我々が研究した結果を消費者にも伝えるのです。そうすることで、商品を卸した店にも利益をもたらすことができます」

     「提案のプロになるためには、商品そのものだけでなく、酒や食べ物に対する知識が大切です。そのため、日本酒メーカーで社員を研修させたり、県内の日本料理店と協力して日本酒やワインに合う料理の研究をしたりしています」

     ◇ 独自製品を開発 

     ――若者の酒離れが進んでいると言われる。

     「若い人たちが酒を好まないようになっていることは、我々にとって大きな問題です。そのため、酒の良さや楽しみ方を訴えようと、独自の製品を開発しています。商品を売り込める可能性があるわけですから、酒離れはむしろ、ビジネスチャンスだと思っています」

     ――どのような商品か。

     「2009年から販売を始めた『宇都宮カクテル』シリーズは、甘さを強調し、アルコール度数を低めにすることで、20~40歳代の女性や、酒を好まない男性をターゲットにしています。また、カクテルはとっつきにくいと思われがちですが、瓶で販売することで、手軽さも強調しました。年間約9万本を売り上げており、レストランなどの業務用としても受注をもらっています」

     ――地元産の材料にこだわっている。

     「県内には、イチゴや米など、高い品質を誇る農産物がたくさんあります。これを活用しない手はありません。カクテルシリーズでも、県内の質の高い材料を使用しています。現在、こうした独自商品は、売り上げ全体の5%ほどを占めています。これを10%くらいに伸ばしていきたいと考えています」

    ◇ 低アルコール若者向け好調 国税庁が発表した県内の酒類販売量の統計によると、2002年に13万1808キロ・リットルだった県内の酒類の販売量は、11年には10万4286キロ・リットルに落ち込んだが、12年には11万1547キロ・リットルに回復した。

     減少の背景には高齢化や、酒類を好まない若年層が増えたことがあり、メーカー側は、若者や女性を意識して、ハイボールや缶チューハイなどの商品の販売を強化。回復につながったと見られている。

     サントリーでは10年頃から、低アルコールや果物の香りを強調した、若者が受け入れやすい商品を強化。レモンの風味を加えたビール系飲料や、低アルコールで、コーラやアイスティーなどの味をそろえた缶チューハイなどが好調で、同社は「関連商品の市場は、右肩上がりに伸びている」としている。

    ◎会社概要 1877年(明治10年)、造り酒屋に生まれた横倉正吉氏が創業した「横倉酒店」が前身。92年に卸売業を始め、現在は大手ビール会社などと取引している。1993年から自社ブランドの商品開発を手がけ、2014年度の「とちぎ産業活力大賞」優秀賞を受賞した。本社は宇都宮市問屋町。

     よこくら・しょういち 1951年宇都宮市生まれ。立教大卒業後、サントリーを経て、1978年に入社。2000年から現職。県卸酒販組合理事長や、全国酒類卸売業協同組合県支部長も務める。

    2015年04月15日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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