<速報> リニア談合、大林組に罰金2億円判決…清水建設には1・8億円
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    深井孟社長 (70)


    ◇車の部品 「提案型」で進化◇

    自動車部品製造会社「深井製作所」は、「提案型」の経営方針のもと、技術者の育成や新素材の活用などを続け、大手メーカーから受注を獲得してきた。初の海外拠点の稼働を来年3月に控え、深井孟社長(70)に経営方針について聞いた。

    (聞き手・中村徹也)

    ■車の性能向上 ――今年3月期決算の売上高が200億円を初めて超えた。

     自動車は、日々性能が良くなっています。そのために、自動車メーカーは部品の形、重さ、強度、コストなどを常に見直しています。それに対し、我々も研究し、メーカーに提示していく「提案型の経営」を続けています。

     例えば、取引先のメーカーが、1枚の金属板について「2年後は今より低い値段でないと取引できない」と言ってきたとします。そんなときは「板の半分はこの素材、もう半分はこの素材を使えば安く作ることができる。さらに、軽量化もできる」といった具合に、相手が求めることに、プラスアルファができるまで研究を重ねるのです。

    • 工場内のプレス機を説明する深井社長(足利市で)
      工場内のプレス機を説明する深井社長(足利市で)

     それを、相手が求める時期よりも早く提示できれば、取引先は納入コストが下がるだけでなく、軽量化までできるわけですから、すぐに導入してくれます。我々の製造コストも下がるので、利益も確保できます。

    ■グッドデザイン賞 ――独自の技術も多い。

     そのような研究を繰り返すうち、グッドデザイン賞にも選ばれた金属加工技術のembrella(エンブレラ)も生まれました。エンブレラは、富士重工業や三菱自動車などの自動車メーカーだけでなく、モータースポーツの分野でも利用してもらうことができました。

    ■部下の背中押す ――各社が技術を競う中、開発力を維持するのは、簡単ではない。

     徹底的な社員や技術者の教育がそれを実現しています。私は彼らを最大限信じ、仕事を任せるようにしています。自分でやってしまった方が早いなと思っても、「これを加えてやってみろ」とアドバイスを加えて背中を押します。すると部下のやる気も沸いてくるはずです。自分のアイデアが挑戦できる環境があれば、新しいアイデアもどんどん形になり、良い製品作りにいかされていくはずです。

    ■マグネシウムに注目 ――今、力を入れている分野は。

     マグネシウムを使った製品作りに注目しています。マグネシウムはとても軽い一方で、鉄やアルミニウムより強度がある素材です。熱に弱いため、用途が限られていますが、最近では高温にも耐えられるマグネシウムが開発されています。同じ強度で軽い部品ができれば、自動車の開発でも有利です。だから、5年以内の製品化を目指しています。

     ――来年3月には米国に進出する。

     豊田鉄工(愛知県)と現地法人を設立し、来年3月には部品の工場が稼働します。

     我々は自動車の生産ラインの設計なども手がけています。新工場はそのノウハウをいかした設計になっています。さらに、豊田鉄工の「トヨタ生産方式」も取り入れています。豊田鉄工の持つノウハウを勉強できる良い機会です。

     初年度の売上高は30億円を目標にしています。4年目には110億円に到達させることを目指しています。

    ■「三高三喜」 ――目標とする経営者はいるか。

     先代社長である父・義信です。父は、創業から44年で売上高65億円の企業に育て上げました。社是である「三高三喜」(高能率、高収益、高賃金、自分が喜び、客が喜び、会社が喜ぶ)を考えたのも父です。私が今着けている腕時計は、父が50年以上前に購入したもの。三高三喜を達成できているか、父が常に私をにらんでいると思っています。

    ■「2年後に250億円」 ――これからの目標は。

     2年後には国内で売上高250億円を目指します。77年かけて200億円にしたわけですから、非常に高いハードルです。

     自動車の部品は競争が激しく、ライバル企業だらけです。進化し続けなければすぐに負けてしまいます。そのために、常に自分を追い込むことが大事なのです。「この壁が乗り越えられなければ会社がなくなる」というくらいの危機感を持って取り組み続ければ、進化は継続できると考えています。

    • 足利市にある本社屋と工場
      足利市にある本社屋と工場



    ◇深井製作所◇
     1938年10月、金型製造会社として足利市で創業し、戦時中に中島飛行機の協力工場として発展。戦後にスクーターの部品製造を始めたのを機に、自動車部品の製造や自動車工場の生産ラインの設計などを手がける。



    ◇ふかい・たけし◇
     1945年足利市生まれ。67年に大学卒業後入社し、1981年から現職。趣味は愛犬の散歩とバードウォッチング。競走馬の馬主でもある。

    2015年10月15日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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