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    赤薙山(標高2010メートル)日光市

     ◇1445段 「天空回廊」に汗◇

    • 階段の途中にある展望デッキから、歩いてきた階段や山々が見える。景色の素晴らしさに、思わず笑みがこぼれる
      階段の途中にある展望デッキから、歩いてきた階段や山々が見える。景色の素晴らしさに、思わず笑みがこぼれる



     久しぶりに晴れた休日、家のベランダで洗濯物を干していたら、日光連山の稜線りょうせんがくっきりと見えた。大学時代は山ガールブームに乗って富士山や茨城県の筑波山などを歩いたが、仕事に追われ、すっかりご無沙汰だ。自然豊かな日光にいるんだから、登るか。後輩を登山に誘い、しまい込んでいたリュックサックや登山靴を引っ張り出した。(江原桂都)

    霧降高原から 最初に、どこに登ろうか。家から見えるのは、男体山や女峰山。女峰山は歩く距離が長いかな。いろいろ考えて、霧降高原から登れる赤薙山(標高2010メートル)に挑戦してみることにした。

     まず向かったのは、日光市霧降高原キスゲ平園地。広い駐車場に車をとめ、霧降高原レストハウスに立ち寄って地図をもらう。建物前にあるボックスに登山届を投函とうかんし、いざ出発。

    • まっすぐに続く階段。迫力に思わずおののいてしまう
      まっすぐに続く階段。迫力に思わずおののいてしまう

     キスゲ平園地は、日光市が市営スキー場の跡地を整備して2013年にオープンさせた公園で、ニッコウキスゲなど100種類以上の植物が観察できる、年間12万人が訪れる人気の観光スポットだ。リフトは10年夏に廃止されており、観光客が歩きやすいように「天空回廊」と名付けられた階段が設置されている。

     ただ、この階段、1445段、標高差で約240メートルもある。最初は観光客たちと笑顔であいさつを交わして歩いていたが、徐々に無言に。100段ずつ記された「先は長いが頑張ろう」「景色も楽しんでね」などのメッセージに元気づけられ黙々と登る。

    引き返したくなる 半分ほど登ると、階段が空に向かって伸びる直線区間に差しかかる。目の前の階段にある表示は、まだ700段。標高差は133メートル。引き返したくなるが、気持ちと足を奮い立たせる。1段目から約1時間。ようやく小丸山展望台(標高1582メートル)に到着した。遠くの山々や日光の市街地も見え、麓から吹く風が気持ちいい。一緒に登ってきた人たちも、「やっと着いた」「登って良かったねえ」などと話しながら記念撮影したり、お菓子を食べたりして思い思いにくつろいでいる。

    • 登り始めの階段はなだらかで、山と高原の景色を楽しみながら歩くことができる
      登り始めの階段はなだらかで、山と高原の景色を楽しみながら歩くことができる

     「山って、いいなあ」。景色を眺めて、達成感にひたる。でも、振り返ると、尾根に沿って赤薙山へ向かう道が続いている。まだ半分も来ていないんだった。ここからの道は石や土の登山道になり、歩く人もぐっと減る。歩いているうちに、霧も出てきた。ぬれた地面に足をとられながら歩くこと約1時間、ようやく山頂の赤薙山神社にたどりついた。

     山頂は霧に覆われ、期待していた絶景は拝めなかった。それでも、登り終えた達成感はひとしお。雨になりそうだったので、休憩もそこそこに下山を開始。来た道を戻って、1時間で麓のレストハウスに着いた。

    • (上)赤薙山頂上。霧が出て、景色は見えない(下)赤薙山と丸山の分岐点。ここからが登山道だ
      (上)赤薙山頂上。霧が出て、景色は見えない(下)赤薙山と丸山の分岐点。ここからが登山道だ

     レストハウスでは、園地を管理する自然公園財団日光支部の辻岡幹夫所長が出迎えてくれた。辻岡さんたちは、植物の保護や、登山道の整備などをしている。園地では春、夏、秋で様々な植物が楽しめ、9月になると、ススキに似たカリヤスモドキが日光を浴びて輝き、銀世界のようになる風景を見られるそうだ。

    霧に注意 天空回廊を登って、赤薙山や、近くの丸山に向かう人も多いという。ただ、霧が出やすい場所のため、道に迷わないよう注意が必要で、コンパスと登山用の地図は必携という。確かに、登る時は景色が見えたのに、下りる時は霧が出て、景色はもちろん、すぐ先も見えなくなった。少し前に歩いた道なのに、不安で、コンパスで方向を確かめながら下った。辻岡さんは「登山ブームもあって登山用の服装と靴の人は増えました。あとは、外見だけではなく、登山の知識も身に付けた上で、山を楽しんでくださいね」と話していた。確かに、きれいな景色も、達成感も、安全あってこそ。私も準備を整え、次の山に向かおう。

    • (上)赤薙山頂上。霧が出て、景色は見えない(下)赤薙山と丸山の分岐点。ここからが登山道だ
      (上)赤薙山頂上。霧が出て、景色は見えない(下)赤薙山と丸山の分岐点。ここからが登山道だ




     【日光市霧降高原キスゲ平園地】 日光市所野1531。0288・53・5337。24時間利用可能だが、霧降高原レストハウス(標高1345メートル)は、4月~11月は午前9時~午後5時(12月~3月は午前10時~午後4時)。標高1449メートルの中間地点に避難小屋がある。駐車場は三つあり、乗用車164台分のほか、大型バス8台、障害者用5台分を完備。

    2015年08月19日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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