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5年で117人が移住の足利市 移住支援担当 柏瀬誠さんに聞く ―Uターン(足利⇔東京)―

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移住促進の取り組みなどを説明する柏瀬さん(7日、足利市で)
移住促進の取り組みなどを説明する柏瀬さん(7日、足利市で)

 足利市職員で移住定住事業を担当し、この5年間で117人の移住を支援してきた柏瀬誠さん(44)。自身も東京からUターンし、東日本大震災を機に東京電力の技術職から転身した経歴の持ち主だ。移住者を引きつける足利市の魅力や市の取り組みについて聞いた。

 ――足利市への移住は近年増えている。

 「市が移住定住促進に取り組み始めた2016年度は移住者は8人で、17年度に13人、18年度に23人と移住者は徐々に増加しました。19年4月にJR足利駅構内に移住・定住相談センターを開設し、仕事や住まいの相談ができる環境を整備したところ、相談はそれまでの約3倍の183件に増えました。20年度には相談が200件、移住者は41人と着実に伸び続けています」

 ――移住者を引きつける街の魅力はどこにあるのか。

 「多くの人は市街地のすぐ近くに山と渡良瀬川があって自然を感じ、一方で、東武伊勢崎線や高速道路で東京まで約1時間で行ける近さを挙げます」

 「個人で何かに挑戦しやすいというのもこの街の特徴です。市の人口は県内4位ですが、製造業の事業所数は県内1位で、中小企業や個人事業主が多い。自分のアトリエや店を持ちたい芸術家や若者、地域に関わりたい人にとって居心地がいいようで、移住相談者もそうした人が多いですね」

 ――移住者を増やすために力を入れているのはどのような取り組みか。

 「そもそも移住定住を増やすのは、経済効果や活気を生んで、持続可能なまちづくりを行っていくためだと思います。ですから、移住者数を増やすことにとらわれすぎず、将来的に移住者や2地域居住者になりうる、市に関わる『関係人口』の確保に力を入れています」

 「例えば、18年に市内の美術館や市ゆかりの芸術家などと連携して、市内の古民家などを会場とした回遊型アートイベントを実施したところ、参加したり見に来たりした4人の芸術家が市に移住しました」

 ――最近ではどうか。

 「20年7月には起業を目指す筑波大学の学生を受け入れ、2泊3日で地域おこし協力隊員とともに農業体験やロケ地見学をしながら、地域住民とも交流する事業を行いました。学生たちは地域課題の解決手法などを実地で考えながら市に関わるきっかけができ、一方で地域住民は地元では少なくなった若者から刺激を受け、地域に活気も生まれました。市外の人材と地元の人材を掛け合わせ、まずにぎわいを創出し、やがて移住へつながればいいと思います」

 ――新型コロナによって高まった地方移住への関心を、まちづくりにどう生かしていくか。

 「テレワークの導入で仕事面での壁がなくなったのは追い風だと感じています。ただ、それはある程度の年数働いてスキルを身につけたり、子育てをしたりする層に関してです。高校卒業後に首都圏へ転出するのは止められません。自分もそうでしたが、若い頃は選択肢が多く、給料もいい首都圏の働き口は魅力的です」

 「大切なのは30、40歳代になって戻りたいと思える土台を作ること。小中学生や高校生のときからもっとまちについて学び、まちづくりに関わる機会を増やす。10年、20年先を見据えて取り組んでいく必要があると思います」

(おわり。この連載は井上暢が担当しました)

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2044257 0 「安足」生活 2021/05/11 19:40:00 2021/05/11 19:40:00 2021/05/11 19:40:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210511-OYTAI50014-T.jpg?type=thumbnail

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