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父母計り知れぬ心の傷 鹿沼クレーン事故10年

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 鹿沼市でクレーン車にはねられた児童6人が犠牲になった事故から18日で10年を迎えた。小学4年だった下妻圭太君(当時9歳)の事故後に生まれた妹(6)は、この春、小学校に入学。父・信市さん(57)、母・陽子さん(51)は、圭太君が通っていた小学校ではなく、別の学校に通学させることを選び、陽子さんが登校に付き添っている。

 「圭太を女の子にしたような。前髪を上にあげたら、ほんとにそっくり」。両親は成長した娘が小学生になったことを喜ぶが、「やっぱり無理。同じ学校には通わせられなかった」と言葉を詰まらせ、学校側と相談の上、圭太君と違う学校を選択したと教えてくれた。

 陽子さんは、妹の登校班の最後尾について歩いているが、通学路でクレーン車のような大きな車がそばを通ると、ふと恐怖がよみがえる。信市さんは、いまだに事故が起きた国道293号の現場に近寄ることができない。用事があっても回り道して目的地に向かうといい、心の傷の深さは計り知れない。

 「にい(圭太君)はどうしたの?」。一緒に仏壇にお線香をあげたり、水をあげたりする時、妹から尋ねられることがある。事故で亡くなったことは、4歳の時に伝えた。それでも、詳しい内容は伝えられていない。クレーン車の運転手がどんな人なのか、なぜ事故は起きたのか――。妹が高学年くらいになったら話そうかとも考えるが、信市さんは「うまく説明できる気がしない」とつぶやく。

 信市さんの職場に、20歳前後の新入社員が入ってくると、どうしても姿が圭太君と重なる。学童野球チームに所属し、プロ野球・巨人の大ファンで、将来は好きな坂本勇人選手のようにプロ野球選手になるのが夢だった圭太君。「大好きな野球を続け、きっと真面目に働いていただろうな」。信市さんは、大人になった圭太君に思いを巡らせ、10年の月日の重さをかみしめる。

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1994220 0 ニュース 2021/04/19 05:00:00 2021/04/19 05:00:00 2021/04/19 05:00:00

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