読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

宇都宮空襲語り継ぐ「過去のものと捉えず」 灯籠流し中止高齢化深刻

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

宇都宮空襲の体験を語る大野幹夫さん(12日、JR宇都宮駅西口近くで)
宇都宮空襲の体験を語る大野幹夫さん(12日、JR宇都宮駅西口近くで)

 太平洋戦争末期に620人以上が犠牲になった「宇都宮空襲」から76年を迎えた12日、宇都宮市のJR宇都宮駅西口付近の広場で市民団体主催の追悼イベントが開かれ、空襲体験者が「戦争を過去のものと捉えず、向き合ってほしい」と訴えた。ただ、今年は灯籠流しが人手不足で中止に。主催する担い手の高齢化で、イベントの継承が難しくなっている。

 イベントは、平和団体「ピースうつのみや」や宇都宮共和大の学生らでつくる市民団体「 宮灯路みやとうろ プロジェクト」が「幅広い世代に戦争のリアリティーを感じてほしい」と企画。無病息災を祈る宇都宮市の縁起物の黄ぶなをかたどった灯籠などが並んだ広場で、同市出身のしの笛演奏家・狩野嘉宏さんが笛の音で犠牲者をしのび、中学2年の時、空襲を経験した語り部の大野幹夫さん(89)は体験談を披露した。

 「 焼夷しょうい 弾が降り注ぎ、ザーと豪雨のような音がした」。大野さんは、1945年7月12日深夜の空襲について振り返った。空襲では現在の県庁周辺や東武鉄道宇都宮駅など、市街地の半分以上が焼かれ、多くの市民が死傷した。大野さんは当時、馬場町(現バンバ通り)の自宅で跳び起き、非常袋に三角巾や教科書を詰めて外に出ると、四方から炎が立ち上っているように見えた。「もう逃げられない」と感じながらも、とにかく暗い道を選んで約2時間歩き続け、逃げ切ったという。

 大野さんは「戦争は物を壊し、焼くだけでなく、人の心も傷つける。後の人も語れるようになるまで伝えるのが語り継ぐということだ」と、継承することの大切さを強調した。話を聞いた市内の会社員女性(47)は「戦争があって、今の宇都宮があるのだと改めて感じた。自分の2人の子供に平和の尊さを伝えたい」と話した。

 宇都宮空襲に関しては、宇都宮城址公園の清明館で「うつのみやの戦災展」が8月末まで開かれている。

 「ピースうつのみや」は2002年から宇都宮市の田川で灯籠流しを行い、空襲の犠牲者を悼んできた。だが、会員は現在、ピーク時(10年前)の3分の1以下の約80人に減少し、中心も80~90代のため、大規模なイベントを開催するのは難しいという。

 宮灯路プロジェクト代表の鎌田泰二さん(75)は「灯籠流しを行うには若者の力がないと厳しい。若い人の中から手を挙げてほしい」と話していた。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2200905 0 ニュース 2021/07/13 05:00:00 2021/07/12 23:34:02 2021/07/12 23:34:02 空襲の体験を伝える語り部の大野幹夫さん(12日午後7時26分、JR宇都宮駅西口前で)=亀田考明撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210712-OYTNI50030-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)