日光下駄に障害者の技を…後継者不足解消へ、職人との共作受注開始

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

(上)「こぎん刺し」をあしらった日光下駄の新商品を手にする菊地さん(13日、宇都宮市二荒町のCWらぼ宇都宮で)(下)日光下駄の草履部分を編む渡辺さん(12日、宇都宮市今泉町で)
(上)「こぎん刺し」をあしらった日光下駄の新商品を手にする菊地さん(13日、宇都宮市二荒町のCWらぼ宇都宮で)(下)日光下駄の草履部分を編む渡辺さん(12日、宇都宮市今泉町で)
(上)「こぎん刺し」をあしらった日光下駄の新商品を手にする菊地さん(13日、宇都宮市二荒町のCWらぼ宇都宮で)(下)日光下駄の草履部分を編む渡辺さん(12日、宇都宮市今泉町で)
(上)「こぎん刺し」をあしらった日光下駄の新商品を手にする菊地さん(13日、宇都宮市二荒町のCWらぼ宇都宮で)(下)日光下駄の草履部分を編む渡辺さん(12日、宇都宮市今泉町で)

 後継者不足を解消したい県伝統工芸品「日光 下駄げた 」の職人と、障害者の賃金向上を目指す就労支援事業所の思いが重なり、ユニークな商品が誕生した。日光下駄の鼻緒部分に、障害者による「こぎん刺し」をあしらったもので、今月から生産の受注が始まった。「お互いの高い技術を広めるために助け合いたい」との願いが込められている。(折田唯)

 新商品を開発したのは、2014年から宇都宮市今泉町の自宅兼工房で、日光下駄を製作してきた渡辺誠友さん(38)と、同市二荒町の就労支援事業所「CWらぼ宇都宮」。同事業所の管理者・菊地恵さん(53)が、母親が日光市出身で日光下駄に興味があり、その苦境を知って渡辺さんに協力を申し出たのがきっかけだ。

 日光下駄の歴史は江戸時代まで遡る。神官や僧侶が社寺に入る際に、格式を重んじて草履を使用するのが原則とされていたが、坂道が多く、雪深い日光で草履は歩きづらいため、下駄を合わせた「 御免ごめん 下駄」が考案された。明治以降、日光下駄として実用的に改良され普及したが、下駄文化の衰退とともに職人は減り、現在、渡辺さんを含め全国に5人ほどしかいないという。

 一方、21年7月に開所した「CWらぼ宇都宮」は、精神障害などのある15人が通所し、青森県津軽地方の伝統工芸「こぎん刺し」による雑貨などを製作している。こぎん刺しは、 緻密ちみつ な幾何学模様が特徴の刺しゅうで、決められた手順に沿った細かな作業が求められる。渡辺さんは初めて見た際、製品のクオリティーの高さに驚いた。「一緒にいい作品が作れる」と菊地さんの働きかけに応じ、鼻緒部分にこぎん刺しを採用することを決めた。

 「CWらぼ宇都宮」にとって、今回の企画は利用者の賃金向上につなげる狙いもある。雑貨類を福田屋百貨店に期間限定で卸すなど、販路を広げてきたが、開所から間もないこともあり、時給は県内の最低賃金にとどまっているという。菊地さんは「障害のある人でも、高い技術を持っていることを知ってもらいたい。日光下駄との共作で売れれば、利用者の自信にもつながる」と期待を膨らませる。

 新商品は発注から1~2か月程度で納品される。鼻緒のデザインは購入者の希望で選ぶことができ、価格帯は2万~3万円前後。渡辺さんは「まずは日光下駄の魅力を多くの人に知ってもらいたい。認知度が高くなれば、おのずと後継者不足も解消されていくはずだ」と話している。問い合わせは渡辺さん(028・623・1470)。

日光下駄 桐の台木の表面にタケノコの皮で編み込まれた草履が、麻糸を使って手作業で縫い合わされている。吸湿性や保温性に優れ、一年を通じて使い勝手がいいのが特徴。近年は裏にゴムを付けるなど、歩きやすく加工したカジュアルな商品も出ている。

スクラップは会員限定です

使い方
「地域」の最新記事一覧
2923574 0 ニュース 2022/04/15 05:00:00 2022/04/15 05:00:00 2022/04/15 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220414-OYTNI50078-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)