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22日に公示された参院選では、栃木選挙区(改選定数1)に立候補した6人の候補者が、街頭演説などで主張を展開している。各候補者の演説を分析すると、教育政策、消費税、憲法など、それぞれ主張の力点に違いが見られる。
■共産・岡村氏
共産党新人の岡村恵子氏(68)は28日、芳賀町で約16分50秒演説した。物価高に最も多い2割の時間をかけ、「物価高騰は、自民党、公明党の政策や、日本銀行の異常な金融緩和による円安で起きている」と指摘し、消費税減税を訴えた。憲法改正や防衛費増額への反対姿勢を示し、「軍事競争のエスカレートを招くだけだ」と主張した。
■立民・板倉氏
立憲民主党新人の板倉京氏(55)は27日、益子町で約7分40秒演説した。税理士を20年務めた経歴に触れ、約7割を消費税減税など税制に費やし、演説で「消費税」を13回使った。板倉氏は「消費税ができてから法人税が減税されている。大企業
■自民・上野氏
自民党現職の上野通子氏(64)は27日、那須塩原市で約7分半演説した。教育政策について「ライフワーク」とアピールし、出世払い型の奨学金制度の導入などを訴えた。新型コロナウイルスについても「大人と同じく不安や我慢を抱えている子供たちを支援していく」と述べたほか、「幸せを感じる町づくりの実現」を目指すとした。
■諸派・大隈氏
政治団体「参政党」新人の大隈広郷氏(52)は28日、真岡市で約29分半演説し、「食・農業」に時間の約半分を使った。農家の廃業が相次いでいるとし、「お米を食べることで子供たちは健康的になる。健康的になって医療費を減らそう」と強調。「外国資本」にも時間を割き、「水源地を買われている。取り返せるようにする」と主張した。
■維新・大久保氏
日本維新の会新人の大久保裕美氏(45)は28日、小山市で約7分50秒演説した。子供の貧困に最も多い2割強の時間を割き、「子供がやりたいことや勉強ができる社会を作りたい」と述べた。教育無償化にも言及し、「学費が払えなくてやめる子が増えている。大阪では18歳以下の教育費が無償だ。栃木でもやりたい」と訴えた。
■N党・高橋氏
NHK党新人の高橋真佐子氏(57)は22日、宇都宮市での第一声で約8分半演説した。NHKの受信料問題に演説の約9割を費やし、冒頭の自己紹介と結びの部分を除くと、全てNHKについて時間を使った。高橋氏は「『NHKを見ない人は払わない。見る人は払う』という公平な受信料の制度に変えていきたい」と述べた。
◇栃木選挙区候補者の主な演説内容(読売新聞調べ)
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岡村氏 物価高(約2割) 平和外交(約1割) 改憲反対(約1割)
板倉氏 消費減税(約7割) 物価高(約1割) 政権批判(1割弱)
上野氏 教育政策(約4割) 新型コロナ(約2割) 幸福な社会(約1割)
大隈氏 食・農業(約5割) 外資規制(約1割) 消費税(約1割)
大久保氏 子供の貧困(2割強) 教育無償化(約2割) 介護(約1割)
高橋氏 NHK受信料(約9割)