社会復帰へ「塀の外」体験

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徳島刑務所 就労支援

協力雇用主161社 再犯防止のカギ

 服役中の受刑者に刑務所の外で「職場体験」をさせ、就職先とのマッチングを図る新たな取り組みを徳島刑務所(徳島市入田町)が始めた。出所後の就労は社会復帰の第一歩で、再犯防止のカギを握る。刑務所の担当者は「受刑者版のインターンシップ。服役中から外の仕事になじんでもらって早期の離職を防ぎたい」と期待する。(三味寛弥)

 刑務所から東に約8キロ。土木建設会社「鷹鉾組」(徳島市)の工事現場で2月、50歳代の男性受刑者が職場体験に臨んでいた。重機でコンクリートブロックを積み上げる作業では、積み上げの場所に立ち、ブロックの位置を整える補助役を担当。「手を挟まないよう気を付けて」など同社の作業員に安全面の注意点を教わりながら、約2時間、黙々と仕事に取り組んだ。

 現場では受刑者の逃亡を防ぐため、刑務官4人がすぐ近くで監視。頭部にビデオカメラを装着して録画するなど不測の事態に備えて体制を敷く。平良敦志・徳島刑務所長は「塀の外での作業は逃亡などのリスクを伴う。出来る限りの措置を取っている」と話す。

 鷹鉾組の下坂登社長(70)は「少しでも更生に役立てれば」と、約30年前から元受刑者を積極的に採用。ただ、離職率は高く、定着したのは1割ほどにとどまる。長く社会生活から隔離されていた影響で、仲間と作業をするなどの環境になじめない人が多いという。今年1月に初めて職場体験を受け入れた下坂社長は「肩慣らしをすることでスムーズに社会復帰してほしい」と願う。

 徳島刑務所では、2016年12月の、再犯防止の取り組みを促す「再犯防止等推進法」施行後、職業訓練の充実や履歴書の書き方の指導など就労支援に力を注いでいる。その一環として職場体験を採り入れた。

 体験先となるのは、元受刑者を積極的に雇用している「協力雇用主」で、県内の161社。刑務所側がその中から受け入れを要請する。平良所長は「理解を得ながらより多くの体験先を確保し、受刑者が就職先で定着できる後押しを続けていきたい」と話していた。

 ◆徳島刑務所 殺人や強盗、性的暴行などの犯罪を犯した長期刑の受刑者を主に収容。2018年度は、就労支援を受けた出所間近の受刑者24人(前年度比3人増)のうち、出所して就職したのは6人(同4人増)となっている。職場体験は心理技官らの面接を複数回受けた更生意欲の高い受刑者が参加でき、今年度はこれまでに2人が経験した。

477173 1 NEWSEYE 2019/03/08 05:00:00 2019/03/08 05:00:00

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