<介護報酬不正受給>美馬市 異例差し押さえ

無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

軽乗用車公売 返還金へ

 介護報酬の不正受給について返還請求に応じなかったとして、美馬市が介護事業者に対し、財産の差し押さえに踏み切った。差し押さえの現場ではトラブルが起きやすく、担当する職員には専門的な対処が求められる。美馬市のケースでは、外部で滞納整理のノウハウを学んだ市職員が成果をあげ、税金の滞納以外で差し押さえが行われるのは珍しいという。(三野槙子)

 県によると、訪問介護を行っている美馬市内の介護事業者が2016年12月から18年5月末の間、勤務している訪問介護員の人数を水増し申告し、美馬、阿波両市から介護報酬781万9897円を不正に受給した。県は18年10月、事業者の訪問介護事業者の指定を取り消している。

 美馬市は昨年11月、不正受給分と加算金を合わせた計860万639円を事業者に請求。その後、督促状を送ったが応じなかったため、市保険福祉部の職員2人が2月、事業者の代表者である女性の自宅兼事務所などを捜索し、社用の軽乗用車を差し押さえた。

 不正受給された介護報酬は滞納された税金などと同様、自治体が介護保険法や地方税法などに基づき、財産を差し押さえて徴収できる。ただ、督促状に反応しなかった相手は意図的に支払いをしていない可能性があり、交渉がこじれることも多い。職員に身の危険が及びそうな場合には警察に介入を要請するなど、専門的な対処が必要になる。

 今回の差し押さえを担当した市保険福祉部の山口明大さん(42)は、県が2006年に設立した「徳島滞納整理機構」で、徴収のスキルを学んだ。機構には県と市町村が職員を派遣。派遣された職員は協力して滞納された税金の徴収にあたる一方、専門家を招いた研修会を開いて関係法令を学ぶなどしている。山口さんは、いわば機構の“1期生”で、現在は市に復職している。

 市は昨年10月、介護保険料や保育料などの徴収に力を入れようと、市保険福祉部内に山口さんを中心とした「収納対策推進プロジェクトチーム」(11人)を発足。山口さんは今回、相手が差し押さえを拒否した場合を想定し、近くの交番の場所を調べ、抵抗したら公務執行妨害に問うことができることを確認し、いざという時の対応法を検討した。

 幸い現場でのトラブルはなかったが、「法律の知識を備えていたので、不安はなかった」と山口さん。「公金を適正に管理することが行政の責務」と話していた。美馬市は15日、差し押さえた軽乗用車の公売会を市役所内で開き、売却金を返還金に充てるという。

 ■介護報酬の不正受給 市町村が返還を求めて徴収するが、担当する福祉部門などが徴収以外の主要業務で手が回らず、対応が後回しになっている場合が多い。未返還金が全国的な問題になっており、徴収にあたる専門的な職員の配置などが課題とされている。

487572 0 NEWSEYE 2019/03/14 05:00:00 2019/03/14 05:00:00

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ