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買い物難民 地域で解決

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 ◇移動スーパーを全国展開する「とくし丸」社長 住友達也さん 60

「徳島発の移動スーパーをさらに拡大したい」と話す住友さん(徳島市で、柏木利章撮影)
「徳島発の移動スーパーをさらに拡大したい」と話す住友さん(徳島市で、柏木利章撮影)

 軽トラックに生鮮食品や総菜など約400種類、約1200点を積んで山間地などに出向く移動スーパーを全国展開しています。2012年1月に徳島で始め、軽トラックは現在、43都道府県で274台。20年3月には500台に増やしたいと思っています。

 創業のきっかけは、近所のお年寄りと一緒にスーパーに出かけたとき、高齢の独り暮らしとは思えないほど大量に買い物をしているのを見たことです。理由を尋ねると、「次にいつ来られるか分からないから」と。買い物難民が取り上げられ始めていた頃で、食品を積んで家の前で買い物してもらえば喜ばれると思いつきました。

 とくし丸はノウハウを提供するだけで、地元のスーパーが商品を供給し、一般から募集した個人事業主が販売、売れ残ったら商品をスーパーに引き取ってもらう仕組みです。事業主は軽トラック購入費の300万円があれば開業でき、売れ残りを抱え込むリスクはありません。スーパーも販売機会が増えます。

 利益を事業主とスーパーが分け合い、とくし丸が受け取るのはブランド使用料月3万円だけ。とくし丸は台数を増やすことで成長を目指していますが、買い物難民という地域の課題を、地域で解決する持続可能な仕組みになったと思います。

 地域の課題解決を考えたのは、1998年に吉野川第十ぜきの撤去、可動化計画の住民投票に携わった経験があったからかもしれません。東京で決めて全国一律で可動堰を建てようとしたんですが、地元には地元の事情があるし、価値観があるんですよ。

 だから、とくし丸は、東京発のフランチャイズチェーンと違い、売れれば売れるほど、地元のスーパーと事業主に利益が還元されます。

 創業当時、1台の1日あたりの販売額は2万~3万円でしたが、お客さんのニーズにあった品ぞろえを提供していった結果、今は平均8万7000円になりました。

 ただ、売れればいいというわけではありません。毎回キウイを2~3袋買っていくお年寄りがいて、ある時、娘さんから「冷蔵庫を開けたらキウイが20袋も出てきた。偏って買うのは注意してほしい」と言われました。この時、売れればいいんじゃないと教わった。それからは「売りすぎない。捨てさせない」を基本にしています。

 事業主はお客さんの商品相談に応じるコンシェルジュということです。やりたいとこれまでに約900人から問い合わせがありましたが、採用したのは1~2割。面接のときに採用するかどうか迷ったら、自分の母親のところに一人で行ってもらっても安心できるかどうかで決めています。(聞き手・支局長 栗原公徳)

 ◆80歳代の市場調査に力

 とくし丸は、主要顧客の80歳代の高齢者の市場調査に力を入れている。顧客は約4万人おり、食品や日用品などのメーカーから試供品を預かって、サンプリング調査を請け負っている。昨年夏、大手飲料会社のヨーグルト飲料を4万5000本配ったところ、翌月には売り上げが4倍になるなど効果も出ているという。

 高齢化で市場拡大が見込まれるが、大手広告会社でも市場調査が可能なのは70歳代までといい、とくし丸の住友達也社長は「当社は3日あれば4万人に直接話を聞くことができる。年齢層が限定された優良媒体といってよく、移動スーパーに続く柱にしたい」と意気込む。

 ◇

 すみとも・たつや 1957年生まれ。78年阿南高専卒。81年徳島でタウン誌「あわわ」を創刊。出版会社のあわわを2003年に手放し、12年にとくし丸を設立して社長に就任。阿波市出身。

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使い方
13337 0 徳島人国記 2018/03/18 05:00:00 2018/03/18 05:00:00 移動販売車の前で話す「とくし丸」の住友達也社長 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180317-OYTAI50009-1.jpg?type=thumbnail

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