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<下>阿南工・阿南光/新野 統合 歴史刻む一歩

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気合を入れて練習に打ち込む合同チームの選手たち(阿南市で)
気合を入れて練習に打ち込む合同チームの選手たち(阿南市で)

 徳島市中心部から国道55号を南へ車で約1時間、阿南市内に入ると、県道との分岐を示す道路標識に「新野」との地名が出てくる。「あらたの」と読む。標識の先にある「新野高校」は1992年春と96年夏に甲子園に出場し、この難読な地名を全国に知らしめた。特に、明徳義塾や日大山形といった強豪を次々と破り、16強に入ったあの夏の活躍は今も語りぐさだ。

 「当時、福井県の職場で、テレビを見ながら『シンヤ』とか『シンノ』なんて読む仲間に、読み方を教えて『俺の母校だよ』って。尊敬のまなざしを浴びるのが誇らしかった」。学校近くに住む男性(78)は、少し寂しそうに野球部の練習を眺めながら語った。

 現在の部員は2、3年生18人。4月から同校と「阿南工業高校」が統合され「阿南光高校」が開校したが、18人は今夏、新野の選手として大会に出場する。

 96年の甲子園出場後、少子化と過疎の波が押し寄せた。500人はいたという新野の生徒は、近年半減するまでに。夜間照明や遠征用の大型バスなどを野球部に贈った商店街では、店を畳む人が増えた。ある商店主の男性(80)は「時代の流れとはいえ、つらい。みんなで新野を応援したあの頃が懐かしい」とつぶやいた。

 一方、阿南光の野球部には4月、1年生11人が入部した。今夏は阿南工の2、3年生との合同チーム「阿南工・阿南光」として初陣に臨む。指揮を執る阿南工の監督、福岡秀祐(33)は2008、09年度に新野野球部の部長も務めただけに統合前の2校への思い入れは強い。「いずれは新野、阿南工両校のOBから統合して良かったと言ってもらえるチームを作りたい」との夢を抱く。

 近年は普通科志向の高まりで、実業系高校の生徒確保は苦戦が続く。それでも「就職を考えて選んだ工業高校で野球をしたい子は必ずいる。そんな子たちが懸命なプレーを見せ、地元を活気付かせてきたんだ」。生徒らが手作りしたダッグアウトに腰掛け、福岡は熱っぽく語った。

 最後の夏に挑む新野と、新たな歴史の一歩を刻む阿南工・阿南光。両チームとも勝利で地域を盛り上げようと懸命に白球を追いかける。(敬称略)

(この連載は古市豪、三野槙子、浅野榛菜が担当しました)

 ◇阿南光 新野と阿南工業が統合し、今年4月、農工商の各分野を一体化させた総合産業高校として開校した。阿南工業は1961年発足。野球部の甲子園出場はないが、卒業生にはプロ野球・元巨人の條辺剛投手がいる。新野は43年に県立那賀農林学校として開設された。

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使い方
27936 0 挑戦 夏の甲子園100回記念 徳島大会 2018/06/29 05:00:00 2018/06/29 05:00:00 使い込んだユニホームで練習する阿南工・阿南光合同チームの選手たち(阿南市で)=古市豪撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180628-OYTAI50007-T.jpg?type=thumbnail

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