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<上>財政難で候補地変更

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ホール建設が予定されていた旧動物園跡地。長年空き地のままだ(徳島市で)
ホール建設が予定されていた旧動物園跡地。長年空き地のままだ(徳島市で)

 「とうとう平成から時代が変わる。市民も半分あきらめている」

 平成の間、迷走を続けてきた徳島市の新音楽・芸術ホール計画。10月12日に発足した整備方針を決める検討会議で、委員の一人が口にした皮肉は重く響いた。音楽や演劇関係の団体などから意見を聞くため市が設けた会議だが、似たような場は過去に何度も作られ、同じような議論が繰り返されたあげく、振り出しに戻されてきた。

 発端は老朽化した市立文化センターの後継施設をどうするのか、だった。センターは1963年に完成。1151席の大ホールを備え、市民の文化活動の拠点として親しまれた。しかし老朽化や耐震性不足が指摘され、2015年3月末で利用をやめた。そして、徳島市は1000席以上の専用ホールがない全国で唯一の県庁所在地となった。

 近隣市町にはホールがあるが、活動場所が減った文化団体は定期公演の場の確保に困るようになった。鳴門市などで公演したり、規模を縮小したり……。会議の委員を務めた徳島市文化振興公社の浅香寿穂・芸術監督は「センターが閉館して活動がままならなくなった団体もある。市民が文化・芸術に触れる機会が失われている」と懸念する。

■□■

 センターが利用中止となる22年前の1993年、実はセンターに代わる新施設の計画が話し合われていた。「音楽・芸術ホール建設検討市民会議」。そこでは、徳島市中徳島町の旧動物園跡地に建設されることを前提にしていたという。ところが市の財政難もあり計画は具体化せず、たなざらしになった。

 市民会議の議論が再開したのは10年後の2003年。新ホールの規模は5案にまとまり、翌年には大ホール1200~1000席、小ホール300席規模の案が「市民が主体的に企画・運営しやすい」として市に提案された。実現に弾みがついた格好だった。

 ところが、04年に就任した前市長の原秀樹が方針を一転。動物園跡地での建設をやめ、ホール整備を新町西地区で計画されていた市街地再開発事業の中核施設として位置づけた。05年のことだ。再開発ビルにホールを入居させ一体的に整備する考えを表明したのだ。

 市は財政難だが、再開発事業なら国の補助金が見込める。新町西地区はJR徳島駅に近く、空洞化が目立つようになった中心市街地の活性化にもつながると判断したという。

 当時を知る市幹部は「ここまで変わるのか……と正直驚いた」と振り返る。動物園跡地を前提にしていた市民会議に対し詳しい説明はなかった。そこで交わした議論はきれいさっぱりと「なかったこと」になった。迷走が始まった瞬間だった。(敬称略)

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51166 0 迷走 徳島市新ホールの行方 2018/11/28 05:00:00 2018/11/28 05:00:00 元々、ホール建設が予定されていた旧動物園跡地。長年空き地のままになっている。(徳島市で)=矢野彰撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181127-OYTAI50012-T.jpg?type=thumbnail

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