「黄」「白」「黒」異なるスープ

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「黄」には諸説あるが、透明感のあるスープが特徴の一つとされる(徳島市の「よあけ」で)
「黄」には諸説あるが、透明感のあるスープが特徴の一つとされる(徳島市の「よあけ」で)
豚骨スープの「白」(小松島市の「岡本中華」で)
豚骨スープの「白」(小松島市の「岡本中華」で)
豚骨スープにしょうゆだれを加えた「黒(茶)」(徳島市の「いのたに」で)
豚骨スープにしょうゆだれを加えた「黒(茶)」(徳島市の「いのたに」で)
地方遊説中に「いのたに」に立ち寄った安倍首相(当時、2007年7月20日撮影)
地方遊説中に「いのたに」に立ち寄った安倍首相(当時、2007年7月20日撮影)

阿波の麺類 徳島ラーメン

 ニュースのポイントを伝える先月の「Newニューもん」では、中央構造線の活動で吉野川が流れを変え、香川に「讃岐うどん」の文化をもたらした、という驚きの話を紹介した。では徳島の麺類は? うどんもある。祖谷そばも、半田そうめんも、そして徳島ラーメンも――。今月のNew門では、徳島の多種多様な麺類の秘密に迫る。まずは、今や全国ブランドになった「徳島ラーメン」から始めたい。

ラー博に「いのたに」

 

「20世紀最後のご当地ラーメン」をうたい、新横浜ラーメン博物館(ラー博、横浜市)に徳島市西大工町の老舗中華そば店「いのたに」が出店したのは1999年9月のことだった。約9か月で1億6000万円以上を売り上げ、「徳島ラーメン」人気に火をつけた。

 仕掛け人は全国のラーメンを食べ歩き、「ラーメン王」と呼ばれたラー博の広報担当、武内伸氏(故人)。98年に県内を調査に訪れた時の感想を「誰もマスコミに発表していないご当地ラーメン…。ラーメンの秘境を発見したという手ごたえが確かにあった」と、タウン誌「あわわ」刊「徳島のラーメン中華そば」への寄稿で記している。

 5日間で計21杯を食した武内氏は、徳島の中華そばを、澄んだスープの「黄」、豚骨スープの「白」、豚骨スープにしょうゆだれを加えた「黒(茶)」の3種類あると指摘。中でも、黒は「徳島以外では見られない独特のもの。甘辛く煮たバラ肉の具。生卵を落として食べるのも他の地域ではあまり無いスタイルである」と指摘し、黒の代表として「いのたに」を選んだという。

 「『徳島ラーメン』という新しい名物になる。徳島の名前を全国に出さないか」。何度も足を運び、熱っぽく口説く武内氏の言葉に、当初は多忙を理由に断っていた「いのたに」も同意した。2代目店主・猪谷貴雄さん(64)は「徳島の活性化を手伝えるなら、と承諾したが、これほど人気になるとは思わなかった」と振り返る。

安倍前首相も来店

 

全国から注目を集めたことで、県内外から来店者が急増し、2007年には安倍前首相も訪れた。徳島市を中心に「徳島ラーメン」を出す店が増え、食べ歩き用のガイドブックも登場するなど、武内氏の狙いどおり、徳島の観光資源の一つに成長した。

 猪谷さんは「全国のラーメンを食べ歩いた武内さんには、見る目があった。ラーメン目当てに県外から訪れたお客さんが他の観光地も巡るなど、人を呼び込むきっかけになってくれたらうれしい」と話している。(浅野榛菜、平井宏一郎)

<メモ>

 新横浜ラーメン博物館によると、徳島ラーメンの主流となっている豚骨スープは、戦後間もなく小松島市の屋台で始まったらしい。県内には日本ハムの前身「徳島ハム」の工場があり、豚骨や豚ガラを入手しやすかったことが背景にあるという。

 濃厚な味の徳島ラーメンはご飯との相性が良く、おかずとして一緒に食べる人も多い。徳島では浸透していたが、関東などでは珍しい食べ方だったため、県外客が増えてきた頃の「いのたに」では、驚いた県外客から「ラーメンのスープをご飯にかけてもいいんですか」と質問されたという。今では徳島ラーメンの楽しみ方の一つとして定着し、リピーターも多い。

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1545280 0 New門@徳島 2020/10/14 05:00:00 2020/10/14 05:00:00 2020/10/14 05:00:00 「黄」のよあけ(徳島市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201013-OYTAI50005-T.jpg?type=thumbnail

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