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服部製糖所のおはぎ「花輝」
服部製糖所のおはぎ「花輝」
「あわや」の和三盆ロール
「あわや」の和三盆ロール
「わんさんぼん」で販売している干菓子
「わんさんぼん」で販売している干菓子

徳島のスイーツ 和三盆

 上品な甘さと豊かな風味を持つ阿波和三盆糖(和三盆)は和菓子、洋菓子のジャンルを問わず、全国各地の高級菓子に欠かせない存在だ。ニュースのポイントを伝える今月の「Newニュー門」では、時代を超えて愛される和三盆の魅力に迫り、次々と新しいスイーツが誕生している「甘党の聖地」徳島の今をリポートする。

ポップな干菓子

 花びら、マグカップ、ペットの足裏の肉球――。斬新なデザインの干菓子を次々に考案して商品化しているのは、阿波市吉野町の和三盆菓子販売店「わんさんぼん」の店主、服部滉輝さん(23)だ。

 店は、和三盆を製造する1864年創業の老舗・服部製糖所(阿波市)が母体。「和三盆には昔ながらの高級干菓子の印象が強く、多くの人に届いていない。新しい商品イメージを打ち出したい」と考えた服部さんは、幅広い世代へアピールしようと、約30種類の新商品を作り出した。着色料の代わりに紫芋や緑茶のパウダーを使い、多彩な色を表現。見た目のかわいらしさと、和三盆本来の味が女性たちの心をとらえている。

 服部製糖所でも昨年、コロナ禍で売り上げが落ち込む中、本物の花のようなおはぎ「花輝はなひかり」を開発した。和三盆を使った白あんを使ってツバキやカーネーション、菊の花を再現すると、県内外から注文が相次ぎ、今では予約待ちが続いているという。

 服部さんは「グラニュー糖には出せない和三盆本来の風味は洋菓子にも生かせるはず。次は和三盆を使った洋菓子の専門店を開きたい」と意気込む。

ロールケーキにも

 服部さんより一足早く、和三盆を使ったロールケーキやクッキーなどの洋菓子約10種類を製造・販売しているのが、徳島市の和菓子店「あわや」だ。

 和泉佳宏・代表取締役は「他県にない、徳島ならではのお菓子をつくりたい」と、15年ほど前から和三盆を使ったスイーツの開発に取り組んできた。

 「和三盆といえば小さくて高い干菓子という固定観念を払拭ふっしょくしたい。洋菓子なら、手に取りやすい価格にできる」と和泉さん。新しい洋菓子は、干菓子の味に慣れ親しんだ年配層や茶道をたしなむ人を中心に、人気を集めているという。

 「多くの人に阿波和三盆糖の魅力を知ってほしい。徳島のお菓子屋として、特産品である和三盆にこだわって今後も販売していきたい」

 伝統と革新。新しい甘味を求めて、挑戦は続く。(上田裕子)

 <メモ>和三盆は、徳島県と香川県の一部で栽培されている「竹糖ちくとう」と呼ばれるサトウキビから作られる。沖縄や台湾などのサトウキビと異なり背丈が2メートル弱と低く、太さも人差し指ほどの細さだ。他産地のサトウキビと比べて収穫できる量が少なく、希少だという。

 和三盆を扱う岡田製糖所(上板町)によると、江戸時代に旅の途中で現在の上板町付近へ立ち寄った修行僧が、水田に向かない土地で苦しい日々を送る農民たちに、同じような土質の九州でサトウキビが栽培されていることを教えた、との言い伝えがある。それを知った丸山徳弥という若者が単身、日向国(現在の宮崎県)でサトウキビの栽培と製糖の技術を習得。苗を持ち帰り、阿波和三盆糖の礎を築いたという。

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1838699 0 New門@徳島 2021/02/13 05:00:00 2021/02/13 05:00:00 2021/02/13 05:00:00 服部製糖所のおはぎ「花輝」(阿波市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210212-OYTAI50015-T.jpg?type=thumbnail

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