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DNA鑑定を行う寒川総括所長補佐(県警本部で)
DNA鑑定を行う寒川総括所長補佐(県警本部で)

DNA鑑定

科学捜査研究所法医科 寒川克也総括所長補佐51

 事件事故の捜査において、科学的・客観的な手法で収集した証拠を重視する流れが強まっている。国民参加の裁判員制度の導入などで客観証拠の重要性が高まる一方、証拠そのものも複雑化・多様化している。それら証拠の分析と鑑定を担うのが、県警の科学捜査研究所(科捜研)の研究員や鑑識課員だ。日々、経験と技を総動員して手がかりを捜し求める彼らに迫った。

 県警本部にあるクリーンルーム。この部屋は、研究員ら以外の立ち入りが厳しく制限される。現場で採取した血液などの遺留品が持ち込まれるため、無関係なDNA(デオキシリボ核酸)が混入するのを防ぐ必要からだ。

 DNAは、4種類の化学物質(塩基)が対になって並ぶ。人間のDNAには、同じ配列が何度も繰り返される部分がある。そのパターン(型)を分析すれば、完全に一致する人は約565京(1京は1兆の1万倍)人に1人ともいわれる。そのため、犯行現場に残されたDNAは、犯人特定の重要な手がかりとなる。寒川克也総括所長補佐はこれまで1万を超える試料を鑑定してきた。

 遺留品から抽出したDNAを機械にかけ、量を測定。試薬でDNAを増幅させ、解析装置にかけるとDNAの型がグラフとなって画面に現れる。この型が対象のDNAの型と一致すれば、同一人物のものと判定できる。

 徳島県警がDNA鑑定を始めたのは1995年。当初はほとんどが手作業で、殺人や強盗などの凶悪犯罪の捜査にだけ用いられた。2000年代に解析装置を導入し、鑑定の性能が向上。今ではほとんどの事件でDNA鑑定が行われている。

 徳島大薬学部に在学中、指導者の勧めで科捜研を志した。1994年に県警に採用され、科捜研法医科に配属された。本格的にDNA鑑定を手がけるようになって12年になる。

 鑑定結果が捜査に与える影響は大きい。ミスや偏りを防ぐため、鑑定方法は細部までマニュアルに定められている。高度な解析装置もある。法医科に創意工夫は不要なのか。寒川総括所長補佐の答えはNOだ。

 寒川総括所長補佐は、現場で犯人や被害者がどんな動きをしたのかを徹底的に考える。現場の状況から犯行の流れを推定し、鑑定に反映させる、独自の流儀だ。犯行状況をイメージする力を鍛えようと、サスペンスドラマからヒントを得ることも。犯行現場のシーンで血痕の付き方など細部にまで目を光らせ、犯人の動きを想像する。ラストで犯行を回想するシーンは、想像との答え合わせだ。

 仕事場はクリーンルームにとどまらない。捜査部門と意見を交わし、法廷で鑑定結果について証言することもある。「なぜこの人が犯人だと言えるのか。DNAを検出しただけでは説明できないケースも多い。犯人の行動を徹底的に考え抜き、的確な証拠を提供したい」と話す。(この連載は上田裕子が担当します)

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2171626 0 証拠を求めて 2021/07/02 05:00:00 2021/07/02 05:00:00 2021/07/02 05:00:00 DNAの検出にあたる寒川さん(徳島市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210701-OYTAI50034-T.jpg?type=thumbnail

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