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血液や尿から痕跡探る

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試料から検出されたデータを確認する中島化学科長(県警本部で)
試料から検出されたデータを確認する中島化学科長(県警本部で)

薬毒物鑑定

科学捜査研究所化学科 中島正晃化学科長42

 化学科は尿や血液に含まれる成分などを鑑定するのが仕事だ。血液や尿に覚醒剤や大麻などの成分がないかを調べたり、変死事案で薬毒物が使われた痕跡がないか確かめたりすることで捜査の進展につなげる。

 県警科学捜査研究所の一室、棚には資料や薬品が所狭しと置かれ、分析装置の機械音が響く。中島正晃化学科長はパソコンのモニターに映るデータのグラフに目をこらしていた。

 覚醒剤や大麻などの使用が疑われる事案が起きると、捜査部門から化学科に、血液や尿などの鑑定試料が送られてくる。

 血液にはたんぱく質や脂質、尿には尿素や塩分など薬物以外の成分が多く含まれる。中島化学科長はクロロホルムなどの溶媒を使って、分析の邪魔になる成分を可能な限り取り除く。抽出した物質を機械にかけると、成分のデータがパソコンに映し出される。中島化学科長はその一つ一つに目を通し、薬物に当たるものがないか確認する。

 薬物犯罪を巡る情勢は目まぐるしく変化している。新しい危険ドラッグや医薬品が開発されると、鑑定の対象も増加する。「この20年で倍増した。次から次に新しい薬物が出回る」と顔をしかめる。流行している薬物をいち早く知ろうと、他県の科捜研の知人らと連絡を取り合って情報収集や鑑定方法の研究に余念がない。

 中島化学科長は徳島大薬学部に在学中、研究室の先生に科捜研を勧められた。「薬剤師では扱えないような物質に触れられるかもしれないと思った」と振り返る。「興味本位だった」就職先だが、その業務は多忙で責任は重い。捜査員からの要請は昼夜を問わずに寄せられる。夜間や休日など時間外の呼び出しも珍しくない。

 化学科の担当になって20年近くがたった今も、鑑定作業には緊張する。鑑定結果は捜査に大きな影響を及ぼし、人の人生をも左右する。「最終的に判断するのは、機械ではなく自分。『こちらが予想していない成分を使っていないか』『見落としていないか』と思うと本当に怖くなる」。そんな恐れを抱き続けることが正しい鑑定につながるのだ、と信じている。

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使い方
2181319 0 証拠を求めて 2021/07/06 05:00:00 2021/07/06 05:00:00 2021/07/06 05:00:00 資料から検出されたデータを確認する中島さん(徳島市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210705-OYTAI50006-T.jpg?type=thumbnail

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