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事故原因を分析する金村主任研究員(県警本部で)
事故原因を分析する金村主任研究員(県警本部で)

火災・事故分析

科学捜査研究所物理科 伊沢一幸所長補佐50金村直哉主任研究員33

 昨年10月2日午前7時頃、徳島市内で、男が運転する乗用車に軽乗用車が追突する事故があった。徳島中央署から、2台の車を横から映した防犯カメラの映像が県警科学捜査研究所に届いた。

 物理科の伊沢一幸所長補佐と金村直哉主任研究員は、映像から数枚の静止画を切り出すと、タイヤの位置の比較などから、移動距離と時間を計算。事故当時の速度を割り出した。

 さらに、対向車のドライブレコーダー映像から、当時の状況を再現し、2台の車の位置関係や車間距離を特定。事故の前、被疑者の男に、前を走る軽乗用車との車間距離を詰めるあおり行為があったことを裏付けた。県内で初のあおり運転の摘発だった。

 物理科は、火災や交通事故原因の分析、銃器の鑑定などを担う。金村主任研究員はこれまで約70件の交通事故を分析してきた。「ベストの解析方法は事故ごとに違うから、常に勉強が必要。終わりがない」と話す。

 2人は徳島大工学部の出身。伊沢所長補佐は「エンジニア志望が多い工学部出身者には、科捜研は魅力的ではないのかも」と笑いながら、こう続ける。「でも、ものづくりとは違う面白さがある」

 伊沢所長補佐は火災の分析や銃器の鑑定を主に担う。捜査員と共に火災現場に足を運び、家人らに火災に気づいた状況から家具などの置き場所、当日の行動まで細かく聞き取る。

 全体を見て、激しく燃えたエリアに目星をつける。木造建築の場合、一般的に燃焼時間と燃焼の強さは比例する、と言われる。激しく燃えた部分はすなわち火元に近いということになる。

 火元とみたエリアで、灰や散乱した物を整理して、できる限り出火前の状態に近づける。その中で最も激しく燃えた箇所を絞り、そこに電気器具や調理器具があれば分解する。もしも異常があれば、それが出火原因である可能性が高まる。

 現場での確認作業が終わると、自身が特定した火元と、目撃状況や焼け跡の状態との間に矛盾がないか、徹底的につきあわせる。

 「目撃者の認識が不正確なのか、自分が間違っているのか。そのせめぎあいに、この仕事の面白さがある」。現場での地道な作業と、経験に裏打ちされた精密な分析があればこその“面白さ”だ。

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2187565 0 証拠を求めて 2021/07/08 05:00:00 2021/07/08 05:00:00 2021/07/08 05:00:00 事故原因を分析する金村さん(徳島市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210707-OYTAI50027-T.jpg?type=thumbnail

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