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「似顔絵捜査官」の嵯峨山警部補。後進の指導も担う(県警本部で)
「似顔絵捜査官」の嵯峨山警部補。後進の指導も担う(県警本部で)
講習会では、写真の女性の特徴を聞き取って似顔絵を描く。左が参加者が描いた物で、特徴を的確につかんでいる(右は記者が書いた絵)
講習会では、写真の女性の特徴を聞き取って似顔絵を描く。左が参加者が描いた物で、特徴を的確につかんでいる(右は記者が書いた絵)

似顔絵捜査

鑑識課 嵯峨山勝彦警部補56

 目撃者の証言を基に犯人の似顔絵を作成する「似顔絵捜査」。若手警察官たちがその技術を学ぶ講習会が6月23日、徳島板野署で開かれた。絵は大の苦手の記者だが、蛮勇を振るって参加した。

 2人1組となり、目撃者役からモデルの顔写真の特徴を聞き出し、似顔絵を描く。絵の技術はもとより、目撃者から的確に特徴を聞き出す力が求められるのが似顔絵捜査だという。

 「捜査の似顔絵は、絵の上手さよりも、雰囲気をどれだけ似せられるかが重要です」。嵯峨山勝彦警部補のアドバイスに少し勇気づけられる。ペアの女性警官に「どんな雰囲気でしたか」「目は離れていますか」などと、思いつく限りの質問をぶつけては、修正を繰り返した。

 約20分で描き上げたのが、ご覧の絵(写真右)だ。「雰囲気がよく似ている。捜査で使う似顔絵としてはいいですね」。講評する嵯峨山警部補の顔には、苦笑いが浮かんでいるように見える。この日の参加者で最も高評価の絵(同左)と見比べると、その差は歴然。本部長が任命する「似顔絵捜査官」を目指す彼らの技術の高さを実感した。

 嵯峨山警部補は「『現場は証拠の宝庫』といわれるが、人の記憶も重要な証拠」と力を込める。防犯カメラが普及した今でも、捜査で似顔絵が果たす役割は大きいのだという。

 2016~17年に、徳島市内で2人組の女が男性をホテルに呼び出し、金品を窃取する事件が連続して起きた。嵯峨山警部補は、被害者の男性2人に女たちの人相を聞き取り、似顔絵を作成した。

 その後、SNSに似顔絵にそっくりの女の画像が投稿されているのを発見。似顔絵が手がかりとなって、2人は詐欺容疑で逮捕された。

 似顔絵捜査に携わって約20年。今は自ら似顔絵を作成するだけでなく、若手を指導する立場でもある。それでも、「『自分の似顔絵で捜査をかく乱させてしまったら』という思いがいまだに強い。事件で似顔絵を描くのはプレッシャーだ」と明かす。鉛筆を握る時の緊張感は、若手だった頃と変わらない。「人の記憶を視覚化することが、捜査にどれだけの影響を及ぼすか。似顔絵捜査には、重い責任があることを若手に伝えなければ」。自戒を込めるように語った。

(おわり、この連載は上田裕子が担当しました)

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2191154 0 証拠を求めて 2021/07/09 05:00:00 2021/07/09 05:00:00 2021/07/09 05:00:00 似顔絵を描く嵯峨山さん(北島町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210708-OYTAI50014-T.jpg?type=thumbnail

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