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    高齢者生き生き 交流拠点

    • 高齢者の居場所としてオープンした「Asa居」(鳴門市で)
      高齢者の居場所としてオープンした「Asa居」(鳴門市で)

     ◇鳴門にオープン 空き家活用住民ら運営

     高齢者の交流の拠点となる施設「暮らしのサポートセンターみんなの家Asa居」が、鳴門市大津町でオープンした。空き家を活用し、地域住民がボランティアで運営する。独居者の居場所として、生きがいづくりに役立ててもらい、健康長寿を支える。市も家賃を補助するなど支援しており、今年度中にほかに2か所でオープンする予定だ。(矢野彰)

     紀伊水道がほど近い、住宅地の一角にある2階建て住宅。1階から、ギターの音色が流れ、高齢者らの笑い声が漏れていた。1日にオープンしたばかりの「Asa居」。中では、ハーブを使ったリース作りやぜんざいなどを食べながら、楽しそうにおしゃべりに興じた。利用者は年会費1000円を払う。コーヒー(100円)や軽食の提供もある。

     運営を担うのが鳴門市大津町、撫養町木津地区の住民ら。市も家賃や光熱費などの経費を補助し、嘱託職員が運営をサポートする。

     施設をつくろうとしたきっかけは市の介護保険制度が維持できなくなるのでは、という危機感だ。市介護保険事業計画によると、人口は毎年500人程度減っており、2015年に30・8%だった高齢化率は、35年には推計38%になる見通しという。高齢化率の上昇に合わせて、介護保険給付費の増加も続いており、このままでは、給付費が市の財政を圧迫し、制度が崩壊する恐れがある。

     特に独居高齢者は、自宅内に引きこもる傾向がある。認知症のほか、病気で寝たきりになっても発見が遅れる恐れもあり、市や住民らは、外出して他者と交流できる「居場所」が必要だと考えた。

     施設にふさわしい物件を探していたところ、空き家となっていたAsa居が見つかった。高松市の会社員浅居史朗さん(48)の実家で10年近く空き家だったという。「定年後に帰るとしても当分は空き家のまま。地域の役に立つなら」と提供を快諾した。

     Asa居での行動は基本的に自由だ。音楽や趣味、料理など特技を生かすことはもちろん、おしゃべりだけでも構わない。文化講座の開催などの計画もあり、生きがいづくりをしてもらう狙いもある。

     施設の島田茂仁代表(66)は「退職し、家でテレビを見てばかりではしんどい。気軽に集まり、話をしてみて」と呼びかけている。

     月、水、金曜の午前9時から正午にオープン。利用者とボランティアの他、賛助会員も募る。問い合わせは市長寿介護課分室(088・684・1241)。

     今年度中には鳴門市の大麻町、撫養町にも同じ施設がオープンする予定で、泉理彦市長は「住み慣れた地域で楽しく暮らし続ける拠点で、介護保険制度の持続にもつながる。市もしっかりサポートしたい」と話した。

    2018年10月10日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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