宙に浮かんで勉強? 建築家・坂茂が球体の部屋「プラネット」に込めた母校へのエール

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◆ 成蹊大学情報図書館

屋上の望楼は地域のシンボル 住民が愛し、守り続けた渋谷の小学校 

 中に入ると吹き抜け空間が広がり、宙に浮かぶような球体の部屋に圧倒される。窓から自然の光や学園の木々が目に入り、公園にいるような気分にも浸れる。

 図書館は学園創立100周年を記念して建てられた。設計は2014年に「建築界のノーベル賞」と言われるプリツカー賞を受賞した建築家・坂茂さんが担当。坂さんは成蹊学園で小学校から高校まで学んだ卒業生で、高校時代にラグビー部で全国大会に出場するなど、のびのびと学んだ母校への強い思い入れがあるという。

 図書館は、利用しやすさがテーマ。坂さんは学生に日常的に来てもらえるよう、勉強だけでなく飲食や会話もできる居心地が良い空間を目指した。

 建物は地上5階、地下2階建てで、1階の入り口付近に会話や飲食ができる「リフレッシュエリア」を配置。吹き抜けが広がる中央部の閲覧エリアでも、学習目的の小声での会話が認められている。

図書館の中央には、球体の部屋「プラネット」が5基設置されている

 球体の部屋「プラネット」は全5基で、ガラス張りになっている。吹き抜け空間を横切るように設けられた3~5階の廊下から入り、ゼミやグループ学習で利用できる。

 坂さんは「多くの時間を過ごす場所なので学校建築は重要だ。図書館は閉鎖的になりがちだが、どこからでも緑が見えて開放的な空間を作れた」と語る。

「良い校舎で勉強することが重要」と語る坂茂さん

 10月上旬、プラネットを利用した文学部2年の男子学生は「非日常的な感覚だが、集中力を長く保てそう」と笑顔を見せた。

 ただ、新型コロナウイルスの流行を受け、来館者は激減した。大学でオンライン授業が導入されたためだ。図書館も全エリアで原則会話が禁止となった。緊急事態宣言が明けた今も規制は続いており、人と思わず話したくなる空間が静まりかえっている。

 図書館職員の園部裕元さんは「この図書館は、資料や本を持ち寄って議論し、学びの充実につなげられる場。早くコロナ禍が収束して規制が全て解ける日が来るのを願っています」と話した。(広瀬誠)(2021年11月6日、読売新聞都民版掲載)

 ◎成蹊大学情報図書館
 落成年 2006年
 設計者 坂茂建築設計、三菱地所設計
 所在地 武蔵野市吉祥寺北町3の3の1

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2544921 0 企画・連載 2021/12/10 09:45:21 2021/12/10 09:52:52 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/11/成蹊大学情報図書館メーン-e1637750723510.jpg?type=thumbnail

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