かわいい 夢中で撮影…続・東京新パンダ物語(下)

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しぐさに自然と笑み

写真家 岩合光昭さん(1950年東京生まれ。父は動物写真家・岩合徳光氏。70年に父とガラパゴス諸島を訪問し、自然の美しさに感動して動物写真家を目指す。80年に第5回木村伊兵衛賞を受賞。)
写真家 岩合光昭さん(1950年東京生まれ。父は動物写真家・岩合徳光氏。70年に父とガラパゴス諸島を訪問し、自然の美しさに感動して動物写真家を目指す。80年に第5回木村伊兵衛賞を受賞。)

 世界各地で様々な動物を撮影してきた写真家の岩合光昭さん(67)は、2003年に初めて野生のパンダの撮影に成功した。それ以前から米国や日本国内の動物園でも、パンダを撮り続けてきた「パンダ通」。そんな岩合さんに、魅力を聞いた。

最初の出会い

 岩合さんが初めてパンダを撮影したのは、1973年頃の春。世界各地の動物園にいる珍しい生き物を特集する企画で、米国でジャイアントパンダを撮った。

 のんびりしているように見えて、時折、素早い動きも見せる。体全体に丸みがあり、見ていると自然に笑みがこみ上げてきた。

 「野生ではどんな生活をしているんだろう」。いつか野生のパンダを撮りたいという夢を抱いた。

野生の姿

 その夢がかなったのは、2003年夏。テレビの企画で、中国・陝西省の山々を訪れた。

 野生のパンダは音やにおいに敏感で、近づくとすぐに竹林の奥へ隠れてしまう。しかも、滞在からしばらくは雨ばかり。巣と思われる岩穴に無人カメラを仕掛け、宿舎で待機する日が続いた。

 なかなか会えないもどかしさに、岩合さんは「空に浮かぶ雲や、まきストーブから出るすすが、パンダの形に見えた」という。

 撮影のチャンスが訪れたのは、滞在を始めてから1か月が過ぎた頃。同行した中国の調査員が、岩場でパンダの親子を発見した。

 音を立てないよう、ほふく前進で竹林を進むと、突然、目の前に白黒の巨体が現れた。腕には、赤ちゃんパンダが抱かれていた。岩のくぼみの座り心地がいいのか、対峙(たいじ)しても動こうとしない。

 しばらく待つと授乳が始まり、岩合さんは夢中でシャッターを切った。初めて、野生のパンダの撮影に成功した瞬間だった。

 この時も含め、岩合さんは計6回、中国でパンダの撮影を試みたが、間近に見ることができたのは4回ほど。「今まで出会った野生動物の中で、一番難しい動物の一つ。動物園で見られるのは貴重な体験」と話す。

特別な存在

 様々な動物を撮影してきた岩合さんだが、中でもパンダは特別だという。

 「僕は、野生動物に対しては、『かわいい』という言葉はおこがましい気がして、あまり使わないようにしている」という岩合さん。だが、丸みを帯びた体で、物をつかんで食べる様子などを見ると、「思わず『かわいいな』と出てしまう。パンダは会うたびにうれしくなる」と語る。

 岩合さんは、上野動物園で、シャンシャンの母親「シンシン」と、父親「リーリー」を撮影している。

 「パンダは猫のように遊び心のある動物。シャンシャンも、きっと私たちを楽しませてくれるはず」

 上野の新たなアイドルも、いつかカメラに収めたいと願っている。

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13775 0 続・東京新パンダ物語 2018/03/20 18:10:00 2018/03/20 18:10:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180320-OYTAI50019-1.jpg?type=thumbnail

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