警備できず花火「逆風」 中止や時期変更

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 夏の夜を彩る花火大会が今年は中止に追い込まれたり、春や秋の開催を余儀なくされたりするケースが都内各地で相次いでいる。折からの警備員の不足が東京五輪・パラリンピック開催で拍車がかかり、会場や周辺道路などの安全確保が難しいためだ。

■人が足りない

 大田区は例年、「終戦の日」の8月15日に多摩川河川敷で5000~6000発の花火を打ち上げているが、今年は開催しない。いつもは11万人ほどの見物客を集め、民間警備会社から約500人を動員しているが、警備会社から「人を割けない」と言われたためだ。担当者は「心苦しいが、安全確保が最優先」と話す。

 大きな節目のたびに花火大会を開催してきた狛江市。今年は市制施行50年にあたるが、大田区と同様に警備の人数の確保が難しく、記念すべき年を「花火なし」で迎えることになる。

 東京労働局によると、都内の警備員などの有効求人倍率(昨年11月)は17・63倍。全職業平均の1・81倍を大幅に上回り、一般社団法人「全国警備業協会」の担当者は「業界全体で警備員の処遇改善に努めているが、なかなか人が集まらない」と実情を明かす。

 そこに今年は五輪・パラの開催が重なる。大会組織委員会によると東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の会場で期間中、民間の警備員約1万4000人を確保する見通しという。

■「隅田川」前倒し 

こうした状況でも何とか開催にこぎ着けようと、夏を諦め、春や秋にずらす動きも多い。

 「隅田川花火大会」は今年は2週早めて7月11日に開催。足立区の「足立の花火」や、八王子市の「八王子花火大会」はそれぞれ約2か月も前倒しし、5月30日に行うことにした。

 一方、例年7月の最終土曜日に開催される「立川まつり国営昭和記念公園花火大会」は五輪・パラ後の10月3日に変更。実行委員会事務局によると、同じ7月25日に開催予定だった隅田川花火大会が開催前倒しを決めたことを踏まえ、「例年の日程で開催すればこちらに見物客が大勢来て、混乱も予想された。協賛金の募集期間を確保するために10月に開催することにした」(担当者)という。

■変更リスクも

 葛飾区は2018年12月、例年7月中、下旬に開催してきた「葛飾納涼花火大会」を20年は7月7日に前倒しすると公表した。「五輪直前にすることで盛り上げに一役買いたい」(実行委員会事務局)という狙いもあったが、警備員の確保が難しい現状を受け、日程再変更の是非を検討することにした。

 開催時期の変更に伴う「リスク」を懸念する声も出ている。隅田川花火大会の地元、台東区の担当者は「梅雨の時期での開催となれば、会場の動線をどうするのか、見物客の安全をどう確保するか、色々と考えていく必要がある」と話している。

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