明治神宮にシカのオブジェ
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世界で注目を集める芸術家の作品や、国内各地から奉納された花々を楽しめる「神宮の杜芸術祝祭」(実行委員会など主催、読売新聞社など後援)が20日、明治神宮(渋谷区)で開幕した。文化芸術の祭典「日本博」の一環で、来年3月末までの間、各種の美術展やシンポジウムなどを開催し、国内外からの来場者に日本の自然や文化を伝えていく。
芸術祝祭は、「『祭る。祈る。創る。』―持続可能な自然と芸術文化―」がテーマで、明治神宮の創建100周年事業とも連携している。神宮内苑の森では、美術展の一つとして、野外彫刻展が始まった。宮城県石巻市で展示していた巨大なシカのオブジェ「White Deer(Oshika)」の制作者で彫刻家の名和晃平さん、現代美術作家の船井美佐さんら4氏の作品を展示している。
名和さんの作品は、石巻のものと同様に空を見上げているシカのオブジェで、高さは3メートルほど。名和さんは「石巻の作品ともつながる。前向きで、すがすがしい気持ちを込めている」と話す。オブジェを撮影していた香港出身の会社員女性(35)は、「神宮の森の雰囲気にも合っていて神秘的だ」と話していた。
参集殿の近くでは、全国各地から届いた花々を展示する「サンクスフラワー・プロジェクト」も開かれている。東北6県で育った桜の枝約400本が飾られ、福島県から運んだ高さ約6メートルの桜2本も満開の花を咲かせる見込みだ。
期間中のイベントは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部で中止、延期が決まっている。詳細は公式サイト(https://jingu-artfest.jp/)。