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区内8中学、9種で学校の枠超えた部活動
部員不足で継続が難しい部活動にも生徒がチャレンジできるよう、渋谷区は、全ての区立中学校8校の生徒たちが学校の枠を超えて、9種目の部活動に合同参加できる取り組みを始めた。外部から講師を招いて指導を受けるなど、地域と連携した新たな部活動のあり方を模索している。(鍜冶明日翔)
「胸と腰を近づけながら~」「足は肩幅より開いて。膝をしっかり曲げて腰を落としましょう」
区立上原中学校の体育館で先月20日、女性ダンサー2人が中学生に振り付けを教えていた。参加したのは笹塚、上原、代々木、原宿外苑の4校から集まった1、2年生計11人。笹塚中で吹奏楽部に所属しているという2年の女子生徒2人(いずれも14)は「踊れたらかっこいいだろうな、と以前から憧れていた。基礎から教えてもらえるし、とても楽しい」と笑顔を見せた。
区によると、生徒数の減少や指導教員の不足に伴い、サッカー部が区内8校のうち4校にしかないなど、部員が少なくて思うような活動ができなかったり、生徒らの希望する部活動がなかったりする事例が相次いでいるという。
また区が今年1月、8中学校の全生徒を対象にどんな部活動に興味があるか尋ねたところ、「弓道」「ボウリング」「ダンス」などにそれぞれ2~3割の生徒が「興味がある」と回答。「eスポーツ」「料理・スイーツ」「漫画(アニメ)」など文化系の部活動にも各3割近くが関心を寄せた。
そこで区は、生徒たちのニーズに応えようと、ボウリング、ダンス、ボッチャ、将棋、パソコン、硬式テニス、フェンシング、女子ラグビー、サッカーの9種目について、週末に区内の会場に集まって合同で部活動を行うことにした。教員の負担を減らすため、指導講師は地元の日本将棋連盟や区ボウリング連盟など外部団体に派遣を依頼。ダンスの指導に当たるダンスチーム「CyberAgent Legit」のディレクター、FISHBOYさん(36)は「子供たちが自発的に好きなことに取り組める環境づくりの一助になれば」と語る。
区スポーツ振興課の田中豊課長は「将来的には、中学校を卒業しても自主的に楽しめる『総合型地域クラブ』に発展させたい」と意気込んでいる。