「つぶやき」イルミに息吹 板橋駅シンボルのケヤキ

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板橋の将来像を話し合う(左から)上田さんと海老沼さん、池上さん(10日、板橋区で)
板橋の将来像を話し合う(左から)上田さんと海老沼さん、池上さん(10日、板橋区で)
「むすびのけやき」に取りつけられたイルミネーション。本格的な光と音の演出が話題を呼んでいる(2日、JR板橋駅西口で)
「むすびのけやき」に取りつけられたイルミネーション。本格的な光と音の演出が話題を呼んでいる(2日、JR板橋駅西口で)

 JR板橋駅西口(板橋区)のシンボルとして親しまれているケヤキの木に、ツイッターの投稿数に連動して色や光が変わるという「市民参加型」のユニークなイルミネーションが取りつけられた。手がけたのは、区民有志でつくる「板橋駅まちづくり応援団」。新型コロナウイルス禍で活気を失った街を元気づけようという取り組みだ。(長嶋徳哉)

 今月2日夜、ケヤキの幹や枝に巻かれたLED照明が、青から黄緑、赤、白と次々に変わっていった。音楽に合わせて光がケヤキの根元から上がっていくと、居合わせた人たちからは拍手がわき起こった。

 通行人らがツイッターで「#いたばし想いを伝える 縁結火えんむすび 」と書き込んで投稿すると、色や光の動きが変化する仕掛けになっている。一定のコメントが集まれば、音楽が流れて光と音の共演も楽しめる。イルミネーションを調整したのは、地元でLED照明を扱う会社を経営する池上英輝さん(45)だ。音楽ライブでも使われる本格的な機材も準備して臨んだ演出のできばえに、満足そうな笑みを浮かべた。

ツイッターと連動 光変化

 多摩市で生まれた池上さんは、結婚を機に9年ほど前に板橋に移り住んだ。地元に根づいた店が並ぶ商店街が気に入り、人情味あふれる板橋の温かさを日々感じながら暮らしてきた。

 一方、駅前では今、高層マンションや公園整備などの再開発が進む。駅の象徴で、新たな縁をもたらすとして名づけられた「むすびのけやき」は再開発後も残されることになったが、地元の住民たちは変わりゆく街の将来像に不安も抱く。

 池上さんは勉強会などで、地元でクラフト教室を運営する海老沼麻貴さん(50)や、居酒屋を営む上田誠さん(55)らと出会い、2019年12月、地元の活性化を目指す応援団を結成した。

 だが、結成直後、コロナ禍は板橋にも猛威を振るった。商店街からは人の姿が消え、老舗の食堂や衣料品店は、店主の高齢化も理由に相次いで閉まっていった。

 誰もが自分の生活を維持することに精いっぱいで、街の未来を考える余裕を失っていた。「感染が落ち着いても、街の活気はすぐには戻らないだろう」。心を痛めた池上さんたちが着目したのが、人と人との縁をもたらすとされるケヤキの木だった。

 イルミネーションを通じて地元のつながりを取り戻したいと、ケヤキを管理する区の支援を取りつけ、周辺の9商店街などにも協力を求めて実現にこぎつけた。

 コロナ禍を乗り越え、応援団は来年以降も地域の魅力を発信する夏祭りなどのイベントを仕掛けていく計画で、池上さんは「地域のつながりを強くすれば、どんな危機も絶対に乗り越えられる。板橋の底力をみせたい」と意気込んでいる。

 イルミネーションは1月末まで楽しめる。

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2631892 0 ニュース 2021/12/27 05:00:00 2021/12/27 10:48:50 2021/12/27 10:48:50 板橋のまちの将来を語り合う(左から)上田さん、海老沼さん、池上さん(12月10日午後3時52分、板橋区板橋のいたばし研究所で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/12/20211226-OYTNI50044-T.jpg?type=thumbnail

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