保健所各区総力戦 「第5波」の教訓生かす

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応援職員の支援を受けながら、陽性者への対応にあたる杉並保健所(20日)
応援職員の支援を受けながら、陽性者への対応にあたる杉並保健所(20日)

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の 蔓延まんえん を受け、都内各区が感染の拡大状況に応じて保健所に応援職員を送り込む態勢を次々と整えている。保健所の業務が 逼迫ひっぱく した昨夏の「第5波」の教訓を生かしたもので、新型コロナとの戦いの最前線は、総力戦の様相を呈している。

(石川貴章、白井亨佳)

廃校活用 各部署から170人

 江戸川区は17日から、区立小学校の廃校舎を「第2保健所(サテライトオフィス)」として運用している。区役所の各部署から多くの職員が動員され、陽性者への聞き取りや健康観察にあたっている。

 児童館の運営などを担当する区健全育成課から来た中條邦子さん(52)は「普段の業務とは異なるが、区民の健康に関わることなのでミスは許されない」と語った。応援職員は廃校舎の教室に分散配置されており、中條さんは「密にならずに作業ができている」と話す。

 区内では昨年8月、1日の新規感染者がそれまでで最多の371人に達した。保健所の職員は業務に追われ、陽性者に連絡するまで最大で4日かかったこともあった。区は感染が急拡大してから応援の職員を募ったものの、参集に時間がかかった経緯がある。このため、区は新規陽性者数に応じて0~7まで8段階にわたる対応指針を独自に作成。段階ごとに参集させる応援職員の数を決めた上、名簿もあらかじめ作っていたという。

 「第5波」の際、応援職員は区民も訪れる施設の会議室で作業していたが、改修工事を控えていることに加え、区民の利用を制限する事態が起こることも懸念し、区は今回、廃校を活用することを決めた。急ピッチで暖房設備などを設置し、第6波に備えていた。

 ただ、開設翌日の18日には、感染者の発生届が約400件と急増。24日朝には500件を超えた。区は直ちに対応レベルを最高の7に引き上げ、応援職員は約170人に上っている。

 斉藤猛区長は「陽性者が急増しても、廃校であれば作業スペースを確保でき、態勢も柔軟に拡大できる」と利点を挙げ、「労をいとわず、土日返上で対応に当たっている職員とともに難局を乗り切りたい」と話す。

図書館休館し動員 外部委託も

 杉並区も13日以降、BCP(事業継続計画)に基づく保健所の支援を始めている。区立図書館などを休館させ、現在は約70人の応援職員を派遣中だ。

 「熱が37・5度までいくと、警戒しなければいけないですね」。20日午後、保健所の一室には机がずらりと並び、職員らが感染が判明した人や自宅療養者との電話対応に追われていた。

 「陽性者が急激に増えており、業務を追いつかせるだけで精いっぱいだ」。杉並保健所の渡辺秀則健康推進課長が厳しい表情を見せる。区内では「第5波」の自宅療養者が最大で1156人に達し、保健所が大混乱に陥った。第6波では2000人を超えると予想されており、渡辺課長は「職員を根こそぎ動員する必要がある」と危機感を強めている。

 区は2020年10月に新型コロナ用のBCPを策定し、各部署の業務を優先度順に4段階に分けた。BCPが発動されると、優先度の低い業務から停止し、職員が保健所に派遣される仕組みだ。区はオミクロン株の襲来に向け、13日にいち早くBCPを開始した。応援職員は、自宅療養者への物資配送や、ワクチン接種会場での誘導、入院手続きの支援などを行ってきた。21日からは、区立図書館3館と郷土博物館を休館とし、応援職員を約70人態勢に拡大した。区は最大で約100人の支援態勢を確保する。

 健康観察に使うパルスオキシメーターを新たに3900個確保したほか、一部の業務は外部業者に委託。食料などの配送には、車だけでなく自転車も使っているという。渡辺課長は「区民の命を守ることが第一の目標。区を挙げて対応していく」と話している。

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