町工場五輪へ続く夢 下町ボブスレー、次に意欲

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ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向け、意欲を燃やす関さん(左)と高橋さん(中央)ら(大田区で)
ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向け、意欲を燃やす関さん(左)と高橋さん(中央)ら(大田区で)
下町ボブスレーとイタリアの女子選手(下町ボブスレープロジェクト委員会提供)
下町ボブスレーとイタリアの女子選手(下町ボブスレープロジェクト委員会提供)

 連日熱戦が繰り広げられている北京五輪。ボブスレーに日本代表選手は出場していないが、冬季五輪での採用を目指して競技用そりの開発に取り組む大田区の町工場の経営者たちが、試合の行方に熱い視線を送っている。ソチ、 平昌ピョンチャン 、北京と3大会連続で採用されず悔しい思いをしたが、4年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けて、早くも意欲を燃やしている。(栗谷川奈々子)

 15日に決勝が行われたボブスレー男子2人乗りは、強豪・ドイツ代表の3チームが表彰台を独占した。1~4位が2秒の間にひしめく混戦に、下町ボブスレープロジェクト副委員長の関英一さん(50)は「わずかな差でメダリストになれるかなれないかが決まる。やっぱりボブスレーは面白い」と興奮を隠さない。

 気になるのは、各国代表のそり。どこのメーカーか、氷に接する刃はどんなものを使用しているのか――。仲間たちが集まると、「なぜ今回はラトビア製のそりが人気なんだ」と激論が交わされる。関さんは「技術者として力を発揮できれば、本当に楽しいだろうな」と思いをはせる。

 大田区の町工場が技術を結集してそりを製作するという同プロジェクトは2011年12月に始まった。製作費だけでなく、世界中のコースを研究するための遠征費も自腹。製造統括を務める高橋俊樹さん(46)は「当初は『ただでボブスレーを作るなんてありえない』と 親父おやじ に突っぱねられた」と振り返る。

 つらかったのは、前回の平昌五輪だ。ジャマイカ代表にそりを無償提供し、平昌までそりを搬送したのに本番直前、不採用を告げられた。契約に基づき、損害賠償請求を検討すると表明すると「そりが遅いから使われなかったんじゃないか」「みっともない」などとインターネットで中傷を受けた。

 それでも「負けっ放しのままでは終われない」と半年後には、役員を一新して再スタート。ドイツから技術者を招き、大田区を中心とした23社が力を合わせてそり開発を進めると、20年にはイタリア代表の選手たちが採用してくれた。この選手たちは北京五輪の出場権を得られず、下町ボブスレーの五輪デビューはお預けとなったが、ワールドカップで使われるなど、着実に成果を上げている。

 プロジェクトメンバーたちはそり開発を通じて、合同で別の会社を起こしたり、本業の仕事を紹介しあったりするなど、絆を深めている。高橋さんは「神様に『もう少し精進しなさい』と励まされている気がする。あきらめの悪い下町の町工場の底力を見ていてください」と意気込んでいた。

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