祈りにも似た調べ キエフ出身ピアニスト公演

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

シャポバロフさん
シャポバロフさん
故郷の無事を祈りながらピアノを演奏する(左から)シャポバロフさん、坂元さん、柚木さん(15日、新宿区で)
故郷の無事を祈りながらピアノを演奏する(左から)シャポバロフさん、坂元さん、柚木さん(15日、新宿区で)

 ロシアの軍事侵攻にさらされるウクライナの首都キエフ出身のピアニスト、レオニド・シャポバロフさん(50)が14、15日、新宿区のスタジオ「Atelier AWA(アトリエ アワ)」でチャリティーコンサートを開いた。収益はすべて在日ウクライナ大使館に寄付する予定で、シャポバロフさんは「医薬品や食料などの支援物資を少しでも届けることができれば」と戦禍に苦しむ人たちの身を案じる。

アリス=紗良・オットのピアノと映像で「仮想の旅」へ…ショパンと現代曲のリサイタル

(岡本遼太郎)

 会場には青と黄色のウクライナ国旗が掲げられ、シャポバロフさんはウクライナの民族衣装「ビシバンカ」を身に着けて舞台に立った。チェロの柚木 菁子せいこ さん、フルートの坂元理恵さんと共に、ウクライナゆかりの作品や「美しく青きドナウ」など15曲を演奏。曲の合間に「ウクライナを支援してくれた日本のみなさんに心から感謝します」と片言の日本語であいさつすると、観客から温かい拍手が送られた。アンコールでは、ウクライナを舞台にした反戦映画「ひまわり」のテーマ曲とルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」を披露した。

 幼少期にピアノを始めたシャポバロフさんはキエフやモスクワの音楽大を卒業後、モスクワを拠点にリサイタルを開くなど音楽家として活動。しかしプーチン政権が発足した2000年以降、報道が統制され政敵が次々に収監される事態を目の当たりにし、「独裁的な政治情勢に危険を感じた」と2010年に帰郷した。

 初めて来日したのはその8年後。ルーマニアの友人に誘われ、横浜市のレストラン「アルテリーベ」で飲食客を相手に、ジャズやクラシックのナンバーを弾いた。滞在は3か月間だけだったが、日本人の優しさや誠実さに触れ、その後も来日。3回目となる今回の滞在中、ロシアによるウクライナ侵攻が起きた。

 シャポバロフさんの兄はリビウ近郊、弟はキエフに住んでいる。SNSで無事を確認しているが、ロシア軍の攻撃で民間人の犠牲は広がっており、「この巨大な悲劇がいつ終わるかは想像もつかない」と胸を痛める。

 新型コロナウイルス対策で、コンサートは14、15日とも事前予約制とし、観客は各約20人に絞った。しかし予約できなかった人も寄付金を事前に手渡してくれたという。シャポバロフさんは当面の間、帰国せず、柚木さんらと演奏した動画を動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿し、その収益を寄付に充てることなどを考えているという。「戦争が終わるまで、私のできることをしたい」と自らを励ますように話していた。

スクラップは会員限定です

使い方
「地域」の最新記事一覧
2841989 0 ニュース 2022/03/17 05:00:00 2022/03/17 11:21:39 2022/03/17 11:21:39 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/03/20220316-OYTNI50065-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)