命の大切さ伝える自伝 羽村の児童文学作家

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「命の大切さを伝えたい」と語る漆原さん(羽村市で)
「命の大切さを伝えたい」と語る漆原さん(羽村市で)

 

東京大空襲の経験つづる

 羽村市の児童文学作家・漆原智良さん(85)が自身の半生をつづった自叙伝「三月の空を見上げて―戦災孤児から児童文学作家へ」を出版した。1945年3月の東京大空襲で父と祖母を失った体験をつづっている。同じく3月に起きた東日本大震災では、被災者と自身を重ね合わせて支援してきたといい、「戦争で知った命の尊さや、支え合ってこそ生きていけることを伝えたい」と話している。

 漆原さんは、1934年に浅草区(現在の台東区)で生まれた。戦争が激化する中、43年に母を亡くした。福島県猪苗代町に疎開後、父と祖母を東京大空襲で亡くし、戦争孤児になった。

 戦後は、中学を中退して残された家族のために働く一方、勉強も続けて大学を卒業。中学校の教諭などを務め、89年に児童文学作家に転身した。つらい時期も、職場の上司や仲間が寄り添ってくれたからこそ、生きてこられたと実感している。

 2011年の東日本大震災では、多くの犠牲者が出たことに心を痛め、「被災者に前を向いてほしい」と励ましの言葉を収めた書籍を出版。被災者の体験談を基にした絵本や児童書も刊行した。被災地での講演会も続けており、漆原さんは「戦争の時には多くの人に寄り添ってもらった。今度は僕が声をかけて、(被災者に)立ち直ってもらいたいと思った」と語る。

 自叙伝を手がけるのは初めて。「平成が終わる前に、戦争も震災も風化させずに長く語り継がなくてはいけない」との思いを込めて、1年がかりで執筆した。「戦争と震災とでは、出来事は違うが、命の尊さ、支え合って生きていくことを考える点では同じだと思う」と語っている。

 第三文明社刊。240ページ、1400円(税別)。

 3月10日には福生市民会館で、漆原さんによる戦争体験を語る講演会も開催される。午後2~4時。問い合わせは、主催する福生市公民館(042・552・2118)へ。

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425601 0 ニュース 2019/02/06 05:00:00 2019/02/06 05:00:00 2019/02/06 05:00:00 「命の大切さを伝えたい」と語る漆原さん(羽村市緑ヶ丘で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190205-OYTNI50046-T.jpg?type=thumbnail

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