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新たなデザインののれんが掲げられた松の湯
新たなデザインののれんが掲げられた松の湯

八王子「松の湯」きょう再開

 市民らの署名活動で3年前に存続を決めた八王子市小門町の銭湯「松の湯」が、今年1月からの改装を終え、6日に営業を再開する。存続を機に父の後を継ぐことを決めた小嶋宏和さん(47)は「住民同士が交流できるのが、まちの銭湯の良さ。松の湯の歴史を、皆さんとまた一緒につくっていきたい」と話している。

 松の湯は1954年に営業を始めた銭湯。60年以上、地元の人たちの憩いの場として親しまれてきた。2代目の小嶋誠さん(76)は2016年10月、自らの高齢と、ともに銭湯を営む妻セツ子さん(77)の膝の痛みが悪化するなどしたため一時は廃業を決めたが、常連客らが存続を求めて署名活動を開始。10日間ほどで市内外から2670人分の署名が集まり、小嶋さん夫妻は営業を続けることを決めていた。誠さんは「松の湯がいかに愛されているか痛感した。やめるわけにはいかないと思った」と振り返る。

 設備の老朽化もあり、今年1月から、都や市の補助金を活用して改装に着手。デザインは、銭湯のプロデュースに定評がある港区の1級建築士、今井健太郎さん(52)に依頼した。玄関ののれんには、名前の「松」にちなんだ緑色の松のロゴを描き、脱衣所のロッカーや床に使う木材はシックな色で統一。浴槽は約1・5倍の広さにし、下の方にヨットやカモメなどが小さく描かれていただけだった壁の絵は、縦4・5メートル、横12・5メートルの大きさで富士山を描いた。一方で、げた箱の鍵は改装前のものを新しいげた箱に使い、以前の面影を残した。

 3代目となる誠さんの長男、宏和さんが後を継ぐことを決めたのは2年前。会社に勤めながら銭湯の経営を他の人に託すことも考えたが、「やるからには、両親が元気なうちに自分がやろう」と思ったという。

 宏和さんは先月末で25年以上勤めた大手自動車メーカーを退職。誠さんは「後を継げと言ったことは一度もない。自分から決めてくれたことが、何よりうれしかった」と笑顔を見せる。

 都浴場組合によると、市内で同組合に登録がある銭湯は、1960年代の最盛期には25店あったが、3店まで減っている。松の湯に10年以上通い、署名活動にも関わった八王子市在住の男性(40)は「再開した松の湯に行って、色んな人にまた会えるのが楽しみ」と期待する。

 宏和さんは「署名していただいた方々には、『お待たせしました』と伝えたい。松の湯はこれからも、来てくれた人の心が落ち着く場所であり続けたい」と話している。

無断転載禁止
781180 0 ニュース 2019/09/06 05:00:00 2019/09/06 05:00:00 2019/09/06 05:00:00 改装した松の湯。緑色の「松」のマークも一新した(8月29日午後1時38分、八王子市小門町の「松の湯」で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190905-OYTNI50033-T.jpg?type=thumbnail

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